表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月桂樹の冠.  作者: 叶笑美
やりたい事
80/107

楽しみにしていた再会

朝顔は朝から撫子なでしこの元へ行っていた。

「撫子!今日だよ!今日、小麦達が帰ってくるよ!!」

「はいはい、1週間ずっと聞いてるから知ってるわよ!」

朝顔があわただしく髪を気にする。

「ねぇ、変じゃない?」

「いつも通り可愛いわよ・・・そうだ!いつも通りじゃなくて、ちょっと変えてみよっか!」

撫子の提案に朝顔が少し戸惑ったがうなずいた。


ディンブラたちはメリリーシャから帰る時に、大使館の手伝いのパーティと一緒にエディブルの花園に来たが、早朝だったため迎えもなく、パーティとは別れた。

そして、ディンブラ邸に着いた4人。

「久しぶりだな」

「やっぱりいいよな、平和で」

リビングでゆったりとくつろぎぎながら小麦と葵がつぶやくと、カモミールが訪ねてきた。

「おかえり、みんな!」

『やっぱいいよな。可愛い女の子が出迎えに来てくれるし』

『何よりマフィアでもカルト集団の一員でもないし』

この2人はメリリーシャという大都会に疲れていた。

そんな2人をロルロージュは横目に見る。

「広場でみんな待ってるよ!あとで来てね!」

「ありがとう、カモミール!すぐに行くね!」

ディンブラが答えるとカモミールは先に広場へと向かった。

「僕達も行こうか!」

「そうだな」と答えて立ち上がった。


4人が広場へ行くと真っ先に朝顔が小麦の元に来た。

「小麦!お、おかえり!」

「よぉ、朝顔・・・雰囲気変わった?」

いつもと違う朝顔に小麦が照れ臭そうに聞く。

ハーフアップにし、スカートもタイトからフレアにして膝丈くらいあった。

「うん!撫子がしてくれたの!・・・どうかな?」

「に、似合うよ!」

ドギマギする小麦を朝顔が見上げる。

「本当?か、可愛い?」

「うん、可愛い!」

嬉しくなった朝顔が小麦に抱きついた。

「おかえり・・・小麦!」

「た、ただいま!」

小麦が真っ赤になりながら朝顔を抱き返す。

それをディンブラと葵がニヤニヤとしながら見ていた。

「おやおや、羨ましい限りで」

「いつの間にあんなに仲良くなったんだ、あいつ?」

近くでは少女漫画オタクのルフナと撫子がはしゃいでいた。

「わぁ!いいねいいね!!感動の再会だ!!凄くロマンチックで、凄く少女漫画みたい!!」

「いいわよね!恋する乙女は私の着せ替え人形♪」

軽くはしゃぐルフナに、自分の行った朝顔の変身具合にうっとりと自己満足に浸る撫子。

そして、小麦は思い出したように呼びかけて体を離す。

「そうだ、朝顔!」

そう言ってポケットからお守りを出した。

「お守りありがとう!お陰で無事に帰って来れたよ!」

「良かった!ちゃんと持っててくれて嬉しい!」

「いつも持っていたよ。辛いことも、危険なこともあったけど、これのお陰でがんばれた!」

真っ赤になって、照れ臭そうにも、嬉しそうにもする朝顔は小麦と見つめ合っていた。

そこへナスタチュームが料理を運んでやって来る。

「みんな〜!ご飯ができましたよ〜!!」

その途端に「ぃやっほーぅい!!」と小麦は駆けて行ってしまった。

「あ!小麦!」

朝顔が残念そうにする。

「あーあ、小麦はもう・・・」

「単純なやつだから仕方ないよ」

ディンブラと葵はあきれながら言い放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ