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月桂樹の冠.  作者: 叶笑美
償い
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rossoの仲良し兄弟

変な来客はrossoの下っ端兄弟、兄のチェルヴェッロと弟のコルポだった。

「ヘルハウンド、小麦とか言う男の元に案内してもらおうか」

「科学の世界のrossoから仲良し兄弟が来たと伝えろ!」

コルポが指差して得意気に言い放つ。

「お前らの用件はわかった。それで、科学のrossoとやらは小麦に何の用があるんだ?」

警戒しながら睨みつける。

「え?何で科学の世界から来たってバレてんの!?」

「しかもrossoまでバレてる!!」

よくわからないが2人がアタフタする。

「お前らが名乗ったんだろ!!」

イラつきを抑えられずにヘルハウンドが吠えた。

「コルポ!お前か!!」と弟の頭を叩いた。

「ごめん!!」

コルポの方は叩かれた頭を手で押さえる。

『何なんだ、こいつら?』

チェルヴェッロがヘルハウンドに向き直る。

「単刀直入に言う!小麦という男を拉致らちしに来た!」

「そうか、ならお帰り願おうか」

コルポがナイフを取り出し脅しにかかる。

「あぁ、いつでも帰ってやるよ。・・・小麦を捕まえた後にな!!」

ヘルハウンドに向かってナイフを振る。

しかし、見切ってから後ろに飛び、すぐに踏み込んで足に噛み付く。

そして勢いよく反対側に首を振って、コルポの体を引きずった。

「この!!」

コルポがナイフを突き立てようとするので、足を放して逃げる。

「やるな!ヘルハウンド!」

ヘルハウンドは立ち上がるコルポの腕にまた噛み付いた。

「舐めんな!!」とヘルハウンドを蹴り飛ばす。

ヘルハウンドは退き、すぐに体制を立て直した。

「ヘイ!ヘルハウンド!」

もう一度立ち向かおうとしたところを、横から呼ばれ、その後すぐに大きな音が鳴り響く。

兄のチェルヴェッロが銃で発砲したのだ。

弾は見事にヘルハウンドのお腹に当たっていた。

横方向に転がりすぐに立ち上がるが、痛みと恐怖とで、警戒心が増して動けなくなった。

「はっはー!どうだ?科学の力は!」

「見た事ないから驚いてやがるよ!」

チェルヴェッロがまた銃を構える。

「さぁ、遊びは終わりだ。小麦を出さないのなら、お前で誘き出してやる!」

撃鉄を下ろそうとしたその時、手元の銃を蹴り上げられた。

そして、目の前に足が現れたと認識するや否や、すでにチェルヴェッロの顔面に蹴りが入っていた。

足の持ち主は小麦だ。

小麦が蹴飛ばした後、すぐに構える。

隣ではその見事な蹴りにコルポが拍手をしていた。

落ちた銃を拾い、撃鉄を下げる。

「小麦!何故来た!!こいつらはお前を拉致らちする気なんだぞ!!」

「だからだよ。こいつらとは一度ちゃんと話し合いたいと思っていた」

苦しそうだが、小麦を心配して怒るヘルハウンドに冷静に返した。

蹴飛ばされたチェルヴェッロが起き上がる。

「まず、どこの組織の誰なのか、教えてもらおうか?」

小麦が拾った銃を構えた。

「ふん!教えるわけないだろ!」

「ウチの拠点に来てからならいくらでも教えてやるよ!」

兄弟がふっかけるが、ヘルハウンドは平気で言う。

「rossoの兄弟だそうだ!」

「あ!このクソ犬!!」

「お前が名乗るからだ!!クソ弟め!!」

コルポがまた叩かれた。

「ごめん!兄ちゃん!!」と頭を押さえる。

今来たばかりの小麦でさえ、このアホさについ呆れてしまった。

「オツムは大分弱いようだな。それと・・・」

コルポに銃を向ける。

「お前、コルポだな。その声、前にマイラの電話で聞いたぞ」

「その節はどうも」

意外にも冷静に嘲笑うように微笑み返す。

小麦が隣のチェルヴェッロを見た。

「rossoの兄弟という事は、コルポの隣は兄のチェルヴェッロか」

バレたことを開き直ったのか、2人は自分に親指を差して堂々と自己紹介を始めた。

「そう!体という意味のコルポと、脳という意味のチェルヴェッロ」

「俺ら兄弟は2人で1つ!」

その説明にヘルハウンドがいぶかる。

「チェルヴェッロなんて語りながら、そんなにもバカなのか?」

「うるせぇ!」

「兄弟で比べてんだよ!」

吠える2人にまた小麦が質問する。

「エピスキャラバンのスポンサーはお前らrossoか?」

「さあな」

「ウチの拠点に来いよ。全部教えてやるよ」

余裕があるかの様に兄弟が怪しく笑った。

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