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月桂樹の冠.  作者: 叶笑美
償い
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再びサンスベリアへ

パーティとディンブラ達の一行がメリリーシャに着いたのは花園を出発した翌日の昼頃だった。

「なー、まだ着かねーの?ちゃんと大使館向かってる?」

小麦が心配する。

「大使館なら過ぎたよ」

「さっきの道を右だよね」

大使館に向かっていないと聞き、アスタとチョコに小麦が怒った。

「は?ふざけんな!大使館で大使達に挨拶しないといけないだろうが!!今日から泊まらせてもらうんだろ!こんなもん真っ先に行かないといけないもんだろうが!!」

「大丈夫だよ、小麦!今大使達が集まってる所に向かってるから安心して!」

ディンブラに言われて不満を抱えたまま大人しくする。

「しかも美味しいご飯も食べられるの!!」

シャロンが嬉しそうに言った。

「本当だろうな?美味くなかったらアスタを絞めてやるからな!」

「え!俺!?」

理不尽な小麦からの八つ当たりに、アスタは自分を指差して目を丸くしていた。


それから数分歩くと、サンスベリアに着いた。

『あ、ここか・・・』と小麦は看板を見上げていたら、前回食べた時のことを思い出して腹の虫が鳴った。

ドアを開けて入るとビストートの声が聞こえてくる。

「いらっしゃい・・・って、お前らか」

中に入るなり、直様すぐさま大使達をパーティが発見した。

「わー!大使達もお昼なんだー!」

「偶然だねー!」

「俺らも丁度お昼なんだー!」

「ご一緒させてもらいまーす!」

ぞくぞくと大使達の席に座る。

「お前らクズだな」

おごってもらおうとする金欠パーティの魂胆丸見えな様子に、小麦が呆れながら背後から現れ入店する。

そして葵、ロルロージュと続いてディンブラの登場にビストートが大喜びした。

「ディンブラ!!もう来てくれたのか!!また1年くらいは会えないと思っていたよ!!」

そんな大喜びで両手を広げ、抱擁ほうようでもしようかといった勢いのビストートに反して冷静にくぐって避け、パーティに続きディンブラも大使達の近くの席に座った。

「みんな、この前は色々と動いてくれてありがとー」などと大使たちと話している。

虚しく広げられたままの腕を見ながら、さすがに葵が気を遣って握手しておいた。

「あー・・・またビストートの料理食べれて嬉しいよ。楽しみにしてる」

「うっせー。汚い手で触んな」と手を捨てるように離された。

葵は小麦と目を合わせて2人で肩をすくめた。


大使達の席では意外にもパーティやディンブラに対して歓迎ムードだ。

「よ!おかえり!」

「お疲れ様です、皆さん!」

「どうぞ、どうぞ!」

パーティが押しかける中、みんなが席を詰めてくれる。

「おかえり、クズ共。またたかりに来たんだな!」

ただ、ロマだけは歯に絹着せぬ物言いを挨拶代わりだと言わんばかりにパーティに炸裂させていた。

だが、言葉の内容に反して嬉しそうではある。

葵も座り、小麦はロルロージュを膝に乗せて座った。

ディンブラが大使達を紹介をする。

「小麦、ロルロージュ!紹介するよ!彼らはエディブルの外交官大使、マタリ、リントン、パトロック、ロマだ!」

大使達が頭を軽く下げた。

「よろしく!」

小麦がマタリを確認する。

『あいつがマタリか。なるほど、大使の中では一番年長者っぽいな』

次に大使達に向いて紹介した。

「みんな、この2人は今エディブルで僕の家に住んでる小麦とロルロージュ!」

2人も軽く頭を下げる。

「あと、手紙にも書いた通り、今回は僕と葵くんもお世話になるよ!葵くんと僕とロルロージュは大使館でのお手伝いを主にさせてもらうね!」

「よろしく!」「よろしくお願いします!」と葵もロルロージュも挨拶をした。

「小麦はこの滞在期間中色々と動くことになってるから、サポートよろしくね!」

ディンブラの話の間、ずっとロマは腕組みをして小麦を横目で見ていた。

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