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月桂樹の冠.  作者: 叶笑美
仲間集め
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盲点

「朝食も食べたことだし、出発に向けて話し合おう」

朝食後、ディンブラの家で4人が集まって今後の動向について会議をする。

「まずはrossoとbiancoが出してきた提案を伝えるね」

そう言うとディンブラに集中が集まった。

「先日、rossoのランブルと、biancoのピエロから届いた手紙をマタリが持ってきてくれた。そこには互いに君達2人を組織に貸してほしいと書いてあった」

「やはり、戦力として俺たちがほしいんだろうな。魔王軍の崩壊は各組織間のパワーバランスを崩したんだ。俺たちが組織に出入りしていると、他への牽制力けんせいりょくに十分なり得る。そう考えると、今までに襲われた事はオファーついでの始末だったともうなずける」

「組織間の抗争か・・・。きっと、俺達がどちらかに渡るくらいなら、どちらかの組織が俺達を潰しに来る可能性が高い。それに、ディンブラや大使達すら狙われるかもな」

葵の言葉に神妙な面持ちになる。

「そこで僕の意見としては、君達を1人ずつ組織に引き渡そうと思う!」

2人がディンブラを見て頷いた。

「そうだな。それが最良の判断だ!」

「うん!まだどっちに誰が行くとは決めてないけど、その辺はこれから考えるよ」

小麦と葵が続ける。

「わかった。次は俺たちからの提案だ。俺と葵で考えていたことなんだが、もう一度魔王軍の生き残りを集めるってのはどうだ?」

「rossoやbianco程ではないが、俺たちでも組織を作るんだ。個人で動くよりも、ある程度の組織の方が情報の集めやすさや、それぞれの特技に応じた動きやすさもある」

しかし、その提案にはディンブラが不安そうにした。

「それ、大丈夫?魔王軍の再来にならない?」

「そこに関しては大丈夫だ。魔王がいない今、トップは俺達3人になる。更に置かれている立場や組織間の人脈を考慮すると、俺達よりもディンブラの方が判断を下しやすい。実質上のトップはディンブラとなる」

「俺達はディンブラに命令されれば何でもしよう」

葵がディンブラを見て最後に一言付け加えた。

「全てはディンブラ次第だ」

ディンブラがまだ不安気な顔をする。

「不安なら今の内に言っておけ。対処できるものなら対処しておこう」

小麦の言葉で頷き、話し始めた。

「わかった。・・・まず、組織を作るにしても、生き残りって一体何人いるの?みんな来てくれるだろうか?」

「何人かは把握できていない。それはこれから探すしかない」

「アスタ達が魔王と戦った時は、白いプルチネッラが襲ってくると聞いて、臨戦体制だった。だから、各所に散らばっていた魔王軍が全てあの島に集められてはいたんだ。魔王軍が集結するのに1日もあれば十分だ。移動魔法が使える者は他の者たちとまとめてあの島にやって来ていたし」

ディンブラが目を見開いて驚く。

「それってつまり・・・」

「そうだ。ほとんどの魔王軍が島と共に沈んだ」

小麦の返答に黙ってうつむいた。

「俺の部下は全滅だ。あとは葵、パルフェ、そうめんの3人の部下が何人残っているか・・・」

「それも数える程だろうな」

葵の言葉を聞き、小麦が頭を上げた。

「頭数では少なくとも、能力値は全員高い。低めに見積もっても、魔王軍1人でその辺の警察や組織の人間10人分の戦力はある」

「四天王だとざっと100人分とは言われていたが・・・まぁ、これは少し誇張されているような気もするよ」

「道理でみんな魔王軍を狙うわけだね。そんな戦力、欲しいからね」

ディンブラが腕を組んで考える。

「あとはどう探すか、だな」

「出来れば四天王を集めておきたいが、そう簡単にもいかんだろうし、ここは欲を張らずに誰でもいいから手当たり次第探そう」

そこでディンブラがふと思い出した。

「そうだ!アスタ君達は?彼らは何人か戦ってるはずだろ?何か手掛かりはないかな?」

葵と小麦は盲点だったのか、顔を見合わせた。

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