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プロローグ
「やっと捕まえたよ、僕のエルティア。」
「え、ちょ、わっぷ・・・!?」
ガッシリと身体を抱きしめられ、胸の中に閉じ込められました。
ふぉおお・・・なんとも爽やかな香りが鼻腔をくすぐり、形容しがたい幸福感に包まれる私。
だが、待ってほしい。
ここは乙女ゲーの世界であり、現在私を捕獲しているのはこの国の第一皇子であり、ヒロインの攻略対象であるお方であらせられます。
というかそろそろ拘束を解いて欲しい、このままでは出てしまう、色々と。
そう私は思い、両手でグッと彼の胸板を押すがビクともせず、逆に深い抱擁が更に深くなってしまった。
ぐえー・・・。
「大丈夫だよ、僕の姫。」
そう甘く耳元で囁くが今の私にはそれを聞く余裕が無い。
そう、ヤバいのだ。
乙女のポリシーが、人間性のナニかが。
あ、これ、アカンヤツ。
そう思い私が意識を手放しましたとさ。
どうしてこうなった?