なろうで投稿作品のポイントが低かったのに、ある小説家は大喜びしました。一体何故でしょう?
本作品は、ウミガメのスープ風問題『なろうで投稿作品のポイントが低かったのに、ある小説家は大喜びしました。一体何故でしょう?』に対する解答集のようなものです。
そもそも、ウミガメのスープとは、推理ゲームの一種であり、出題者が提示する、一見矛盾していたり理不尽だったりする問題文の謎を、「YES」か「NO」で答えられる質問を繰り返し行うことで、推理していくという遊びです。
作品内で読者の皆様からの質問に答えることは出来ませんので、あくまでもウミガメのスープ風問題です。
まずは、一度読み進めるのをストップして、ご自分でタイトルの謎を説明できるようなストーリーを、想像力を膨らませて創造し、楽しんでいただけると幸いです。
作者が考えた解答例を10パターンほど用意しておりますので、ご自身の物語と後ほど答え合わせしてみて下さい。もし、どのパターンにも当てはまらない独創的な解答を思いつかれた場合は、せっかくですから感想欄にて披露していただけると、とても嬉しいです!
それでは存分に頭を捻り、素敵な物語を生み出して下さい!!!
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↓解答例↓
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1.意地の悪い小説家
投稿作品は、ある小説家自身のものではなく、自分が大嫌いな作家のものでした。ライバルの小説が低い評価を受けていることを確認して、画面の前で小躍りして喜ぶ小説家。こんな意地の悪いひねくれた作家にはなりたくないものですね。
あるいは、友人だと思っていた作家と談笑していた際、自分が練っている構想についてポロッと話したら、それを丸パクリした小説を投稿されていたというケースもありそうです。そうなると評価が低いのはある意味残念ですが、それでもざまぁによる喜びが上回ってしまうのかもしれません。
2.我が道を行く
先輩作家からのアドバイス、あるいは小説の書き方マニュアルなどを読んで、今まで自分が執筆していたやり方が間違っていたのかもしれないと不安になり、初めてガラッと作風を変えて挑んだ作品。
それが過去のどんな小説よりも評価が低いと言う結果を見て、やはり我が道を行くのが一番だと確信して小説家は大喜びしたのでした。
3.誰も答えられない
読者が評価ポイントを入力するためには、投稿した推理小説の犯人とトリックを、解答欄に正しく入力する必要がありました。ご存知の通り『小説家になろう』にそんなシステムはありませんが、『推理小説家になろう』というサイトにはきっと、実装されていたのでしょう。
小説家は、読者達が誰一人として事件の真相を見抜けなかったという結果を確認し、嬉々として解答編を投稿したようです。もし解答編でもポイントが低ければ、流石に今度は大喜びできませんが。
4.アンダーグラウンドな小説家
小説家には、もう一つの顔、すなわち凄腕ハッカーという兼業があったのです。投稿した小説に悪質なコンピューターウイルスを忍ばせていた小説家は、閲覧した読者のPCを乗っ取るプログラムがうまく起動したことを、ポイントで確認して大喜びしました。
ただ誰も読んでいなかっただけかもしれない? そこら辺は、ちゃんと判別できるのでしょう。何せ凄腕ハッカーですから。
似たようなストーリーとして『凄腕ハッカーになろう』というサイトだった可能性もありますね。投稿した小説に最も低い評価を叩きだした順にランキングが掲載されるようなシステムがあるのでしょう。そもそも小説を投稿する必要がどこにあるのか分かりませんが、元祖なろうをリスペクトしているのかもしれません。
5.教えてAI
ポイントは総合評価ポイントではなく、AIが投稿作品のデータを基に算出する底辺作家ポイントでした。高ければ高いほど、いつまでもうだつの上がらない作家人生を送る可能性が高くなるという恐ろしい採点基準だったので、小説家は安心して大喜びしたようです。
そのうち、どんな小説家よりも面白い物語を5秒で量産してしまうようなAIが現れるかもしれませんね。
6.心機一転
小説家は、超有名なプロ作家でした。執筆した物語は悉くベストセラーになる売れっ子恋愛小説家でしたが、実は本当に心から書きたかったのはグロ描写満載のサイコホラーだったのです。担当編集者に何度要望を伝えても、ファンの反応を気にして全く許してもらえません。
そこで、匿名でなろうに投稿することにしたのです。自分のことを誰も知らない環境で、評価は低いどころかまだ0ポイントでしたが、そのゼロという数字にこれからの無限の可能性を感じて大喜びしたのでした。
7.ポジティブお化け
評価がゼロだって??? 諦めんな!!! やればできるって!!! ネバーギブアップ!!! 0なら増える一方じゃないか!!! 逆境を楽しもうぜ!!! 0pt万歳!!!
8.危機一髪
寝ぼけて投稿した作品を後から見返して、青ざめた小説家。なんと、作者名を本名で入力しているではありませんか。後書きにはご丁寧に住所まで書いてしまっています。
すぐに修正して、評価ポイントとPVを確認……いつも通りの数字でしたが、今回ばかりは一安心して、ほっと息をついた小説家でした。
9.打倒なろう
小説家は別の投稿サイトの運営者でもありました。全く同じ内容の小説を別のサイトにも投稿していたのですが、なろうでの評価が一番低かったのです。
後はこの結果をSNSで拡散すれば、なろうから離れて自分が運営するサイトに流れてくる作家も増えるはず。小説家は作戦通りに事が進み大喜びしました。
10.ギャンブラー
作家仲間と『次に投稿した作品の評価ポイントが低い方が、焼き肉食べ放題を奢る』という賭けをしていた小説家。0ポイントで勝利を確信して大喜びしました。ついでに作家仲間のポイントも確認してみると……
後日、泣きながら焼き肉をお腹いっぱい食べて、仲良く割り勘する二人の姿があったとか。
ウミガメのスープ風問題、楽しんでいただけたのなら幸いです。
普段読み専の方も、もし物語を創ることに快感を覚えられたのなら、試しに執筆を始められてはいかがでしょうか。
実際に短編を書く時も、とりあえず面白そうなタイトルだけ決めて、辻褄が合うような物語を考えていくことが多々あるのですが、その時間が一番好きだったりします。