第7話:チェンジ・オブ・ザ・主従(挿絵つき)
少女の愚かな行為によって引き起こされた悲劇。
そして実行された凄惨なお仕置きも、すでに終わりを迎えていた。
―――全てが終わったそこには・・・
トイレットペーパー様と愚かな私がいた。
ご主人様は怒りの名残そのままに、白く神々しい紙の触手を逆立てていた。
一応はお仕置きも狂い乱れていた怒気も収まったため
今のこの状態は、私の最後の一言を待っている・・・と言う事なのだろう。
だからこそ私はここでしっかりと・・・
ご主人様の怒りを鎮め切らなくてはならない!!
そう・・・日本古来から伝わる最上級の敬意表明を使って!!
ステップ1
両膝を折り畳み、地面に接触させる。
これが意味するは、私はあなたに屈服しているだ。
ステップ2
両手を膝の前で重ね、下の方から相手を拝むような形で対象者に視線を移す。
これは相手に、私は真剣に反省している、と言う意を示すためだ。
ここまでの過程で
相手の怒りの矛がほんのりとでも収まった様子を、見て取ることができるだろうか?
感じ取れたのならば、後は最後の仕上げを残すのみ。
ゆっくりとこうべを垂れ、最強の最終呪文をこう唱えるのだ。
「ごどだびば、ほん゛どうに゛、も゛うじわげありまぜんでぢだ。」
そうこれは・・・土下座だ。
実に無様だろう?
でもさ、そんなプライド捨て去るぐらいには私の状況は深刻だった。
髪は乱れに乱れ。
涙は枯れるまで泣いたから、身体中の水分はからっから。
上半身の着衣だってズタボロ。
ズボンは剥ぎ取られ、近くに投げ捨てられてるし。
愛用のボクサーパンツなんて、仕置きの過程で無残に散り去っていた。
つまるところ・・・超ボロボロだった。
ハハッ・・・まさか、トイレットペーパーなんかに・・・
まさか使われる側に、使い捨てティッシュのように使われる日が来ようとは・・・。
一体、誰が予想できただろうか?
少なくとも、私にはできなかったよ。
まぁ、でもさ。
3時間近くにも及ぶお仕置きも、この土下座によってようやく終りとなったんだ。
え?どんなことをされたのかって?
そんなの言えるわけがないだろう?
これはノクターンではない、なろうなのだ。
と、本当は言いたいところではあるのだが・・・。
不幸中の幸いと言うべきであろうか・・・。
この一連の逃走劇
そのお仕置きの過程で、ご主人様の持つ性能がいくつか分かったのだ。
だから、それを解説するためにも
R18化しない程度に起こったことを語っていくとしよう。
―――で、実際に、お仕置きとは何をされたのか?
一言で回答するならば・・・・・緊縛プレイだ。
もちろん、ただの緊縛プレイなどではなかった。
奴はヒラヒラした紙の触手を、硬いしめ縄に変形させた後
まるで大蛇が獲物を締め上げる様に、身体の様々な部位をゆっくりと締め上げた。
この過程の時点で・・・物凄く痛かった。
元がお尻に優しいしっとり系のトイレットペーパーとは言え、所詮は紙なのだ。
それなりの硬さを持って肌に擦りつければ、大きな摩擦が起こる。
運動会の綱引きで縄が滑った時に感じる、あの手の痛みがわかるだろうか?
まさにあの痛みだったんだよ。
もちろん、しっとりタイプである分の痛みの軽減はある。
だが、摩擦が生じた時に発生する熱量は一切変わりはしなかった。
しかもここまでの話は、ゆっくりと動かされた時の話だ。
つまり、ご主人様がこの後に開始した行動は・・・
勢いよく引き抜くことだった。
始めの1回目ですでに絶叫していた。
余りの痛みで、すぐに涙も溢れ出た。
しかしそんなことはお構いなしに
間髪入れず2回目の準備が着々と進行していく。
この時点で、やめてくれと何度も情けなく懇願していたと思う。
だが、そんな懇願に意味はなく
その凄惨な行為は、擦る位置をずらしつつ何度も・・・何度も実行された。
その度に・・・その度に私は
何度も懇願し
何度も痛みに悲鳴を上げ
何度もその痛みで頬を濡らし
何度も絶望の底へ堕とされた。
そしてそれが何度も繰り返されてるうちに・・・
私は気づいてしまった。
奴が・・・一部の部位を敢えて避けていることに。
だが、そう考えてることすらも、奴に感ずかれてしまったのかもしれない。
奴は、私の反応が弱くなってきたタイミングを見計らい
絶対に狙われたくないと思っていたあの場所に、揺さぶりをかけてきたのだ。
上半身にある・・・最も感覚が鋭いあの場所にだ。
奴の手の平で踊っているのは、薄々は分かっていた。
分かってはいたのが
それでも、私に出来たのは、奴の望む極上の悲鳴を上げることだけだった。
そして恐怖で水は満ち・・・
私の・・・乙女のダムが決壊した。
ところが、それと同時に来るはずの・・・強烈な痛みだけはこなかった。
いや、それだけではない。
そこで・・・拷問自体が止んだのだ。
というか、このトイレットペーパー・・・・・アレを吸い取り始めていた。
―――そう、顧客が本当に求めていたのは私の悲鳴などではなく・・・
アレだったのだ。
いや、実際は悲鳴を上げることも重要事項の一つだったのかもしれない。
だが、過程における話など今はどうでもよかった。
何故なら・・・このお方をおいさめする方法が分かったのだから。
あぁ・・・感のいい読者様ならば、もう予測がついてしまったかな?
この後に私がこの方に行おうとしている、惨めな行為についてを・・・さ。
あぁ、そうさ・・・そう言う事さっ!!
自主的にもっと提供してやったのさ、無様な様を晒しながらなっ!!!
元男としてそれはどうなんだって?
トイレットペーパーごときに恥ずかしくないのかって!?
いいか?生の前ではな・・・そんなプライド、ごみ屑と同然なんだよっ!!
そんなことを言う奴は、一度転生してこの拷問を体験してみるがいい。
絶対そんなこと言ってられるわけがない!!
と・・・まぁそんな感じで、私の奴隷完堕ちENDで全ての幕が閉じたわけさ。
まぁ、私個人としては幕は開いてしまったわけだが・・・。
―――だが、何にせよだ。
全て終わったのだ。
その安堵だけで、私はもう十分幸せだった。
・・・それに、このお仕置きがあったからこそ
トイレットぺーパー様の持つ、いくつかの能力が分かったのだ。
災い転じて事をなす、とは正にこの事であろうて。
あぁ、前置きが長くなってしまったな。
それじゃあ今から、トイレットペーパー様の能力をせっ・・・
・・・せつ・・せせせつめい・・・しゅようと・・・
おも・・・おももも・・・ひゅっ・・・
そこで・・・・・私の精神と体力は限界を迎えた。
色々な意味で反省もしてないが、後悔もしてない。
ただ、今回の挿絵も結局ギリギリを責めてしまってるような気がした。
まぁ、ダメだったらダメな時だ。
<追記>
2月1日(金)9時30ごろ、大幅改変しました。