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神よ、与える前に考えてくれ、トイレットペーパーは武器じゃないっ!  作者: エッチな思考の鈴木
第三章 前進は異世界宿屋と共に
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第60話:訪問、新たな出会いと、這い進む計画




「こんにちわぁ~……。」


初めて足を踏み入れる店と言うものは、どうにも弱腰になる。

特に、一人の時は尚更だ。

と言っても、エリックの馴染みの店なので怖がる必要もないのだが……。

いや、常連のエリックだから良い顔をするだけで、初見は冷たいかもしれない。


うん、期待してがっかりするのは嫌なので警戒していこう。

……。

……こういう時、自分は日本生まれなのだと凄く実感する。


「……。」


と言うか、挨拶したのに返事が返ってこない。

声が小さかったかな?


「こ、こんにち……。」


「おう、いらっしゃいっ!!」


「ぴゃあっ!?」


まさかの背後からの奇襲に、生まれて初めて出すような声をあげる。


「おぅ、驚かせちまったか。いや、わりぃわりぃ。」


少しだけ申し訳なさそうにハニカムのは、エリックと同い年くらいの短髪の青年だった。

この青年がここの店主……なのだろうか?

異世界だと見た目で年齢を判断も出来ないのかもしれない。


「ところで君はお客さんでいいのかな?

 親父に用があるなら、今ちょうど手が離せなくてさ。

 もうちょっとしたら終わるとは思うけど、用なら俺が聞くよ?」


あぁ……そうだよね、息子さんか……まぁ、そりゃそうだわ。

異世界だからと変に勘ぐってしまう、僕の悪い癖っ☆


「いえ、そう言う事ならば店内も少し見たかったので待ちます。」


「ん?もしかして君、冒険者なのか?」


「えぇ、まぁ……と言ってもまだ駆け出し程度ですけど。」


そう私が言うと、青年の顔つきが真面目になり、私の肩を両腕でがっちりと掴んだ。


「悪いことは言わねぇ……冒険者はやめときな。

 いや、別に君が女だから向かねぇとかそう言う事じゃねぇんだ。

 ただ、君を見たら絶対良からぬ事を考える連中が集まってくるっつぅか……。

 

 いや、まぁ……冒険者に憧れる気持ちは俺にもよ~くわかるんだけどよぉ……。

 そうだ!俺の親友にエリックって奴がいてよ、そいつと組むのはどうだろ?

 あいつなら信用できるしよっ!どうだろう!?」


何というか……。

人のよさそうな青年ではあるが、色々段階をすっ飛ばしてしゃべる人だな。

取り敢えず、エリックを親友と呼ぶのなら信頼で来る人間だとはわかった。


と言うか、エリックが冒険者になって信頼してくれる辺り、良い友人じゃないか。

どうして、あぁも腑抜けた男になっていたのだ?

いや、それだけ前のパーティのクソ共がクソだったと言う事か。


「親切にありがとう。でも、もうエリックとは既に組んでますよ。」


「……え?」


「エリックから聞いてないですか?改めまして、ミコト=ミヤウェーって言います。

 こちらの鍛冶屋さんともお付き合いさせてもらう予定なので、よろしくお願いします。」


「えっと……待ってくれ。いや……そういうことか。

 え!?じゃあ、最近一緒に住み始めた師匠って……。」


師匠って……外だと私の事をそう呼んでるのか。

敬ってくれてるのは嬉しいけど、天才君に言われるとなんか……なんだかなぁ。


「多分、私の事だと思います。

 師匠って言うのは過分に言われている気がしますが。」


「そっか、そっか……あの野郎。

 落ち込んでると思ったらこんな美女を垂らし込んで。

 マイノちゃんでは飽き足らず、ハーレム作りとはいい度胸じゃねぇか……。」


いや、マイノちゃんは確かに可愛いが対象年齢としては低すぎでしょう。

と言うかそれでOKならプリニアもいるし。

……まぁでも、可愛い女の子に囲まれているという意味ではハーレム築いてるのか?


「あぁでも、別に私たちそういう関係じゃないで……。」


そう私がフォローする前に彼の姿は消えていた。

てか、ちょっと気を逸らしたとは言え、いなくなったことに気がつかなかったのか。

類は友を呼ぶとは言うし、あの人も結構な手練れだったり?


「帰ったらエリックに聞こっ。」


私は切り替えて店内を物色し始める。

丁度、私以外の客もいないし、店の人の目が今はない。

つまり……例の計画を実行するチャンスでもある。

エリック、お前の犠牲は無駄にはしない!



「シャッハ……索敵(サーチ&)記憶(メモリー)。」



今の私は少し悪い顔になっているかもしれない。

別に泥棒とか、そんな悪い事をするつもりはないと思う、多分。

どのみち、シャッハ君の力を引き出すためには致しかない犠牲なのだ。

お金が入ったら何かしら還元するつもりだし……それで、許してもらおう。



そう心の中で申し訳程度の懺悔をしつつ。

私はシャッハ君がこの店の武器に絡みついていく姿を眺め、ほくそ笑んでいた。


 

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