第36話:再動、嵐の後の激情と、掲示板から牡丹餅
「私のモノになれ、ね・・・私も随分と安く見られたものね?」
「ハハッ・・・流石に言葉の綾ですよ。
私のパーティに入って学んでほしい、とそういうことです。
期間はそうですね・・・一月でどうでしょう?」
「ふーん・・・・・わかった、いいよ?」
「ミコトさん待ってくださいっ!!」
流石の状況に慌て始めるエリック君。
「全て私に従う・・・そういう話だったよね、エリック君?」
「そ、それとこれとはっ!!」
ごめんね、エリック君。
だが、ここまで来て引っ込められるほど・・・私は人間が出来てないっ!!
まぁ、そう悲観か顔をするでないエリック君よ。
勝ちゃあいんだよ、勝ちゃあ!!
「それでは・・・条件を飲むと言う事でよろしいんですね?」
「ええ、もちろん。
ただし、後でお金持ってなくてやっぱなしとか言わないでよ?」
「それはこちらのセリフです。
フフッ・・・二月後が楽しみです。」
「待っ・・・!?」
ポンコツの風は、エリック君の静止も聞かず勝ち誇った笑みのまま去って行った。
風と言うか、もう嵐だけどね。
まぁでも、これでようやく・・・
「あなたは・・・何考えてるんですかっ!!」
「おっふ・・・。」
ふだん優男なイケメンの本気顔に完全に気圧される私であった。
「負けたらどうなると思ってるんですか!!
パーティに入るだけで済むわけがないんですよっ!!」
「・・・分かってるって。」
「だったら!!・・・なんで・・・。」
「勝負ってのはそういうものでしょ?
リスクを背負わなければそれは卑怯な手を使ってるも同然。
それに殺されるわけじゃないなら、その程度の罰は甘んじて受けるつもりだし。」
「そういう覚悟は・・・するべきじゃないです・・・。」
まぁ、あのパーティ入ったらアヘ顔ダブルピースは確実だもんねぇ・・・。
正直・・・修羅場をくぐってき過ぎて、感覚がマヒしてるのかもなぁ。
「ハハッ・・・ごめんごめん。
まぁほらっ!邪魔者は消えたし、さっさと登録しよっ!」
「・・・私がどうこう言える立場ではないのはわかってます。
でも、今後はこういうのはやめてください・・・マイノも悲しみますから。」
「・・・・・はい。」
エリック君の真剣な眼差しに、己の彼への発言を思い出す。
死ではないと言え、これも自分を大事にしてないってことに変わりはないのか。
人に説教して、自分がそれが出来てないってのは示しがつかないよなぁ・・・。
これからはもう少し自身大事にして行こうと、反省する私であった。
―――話は進み、私たちは受付前のフリー依頼の掲示板を眺めていた。
「ねぇエリック君、この依頼はどう?」
「それはA級の依頼ですから無理ですよ。
私がC級なので、その上のB級までしか原則受けれません。
仮にB級の依頼だったとしても、依頼主や組合から許可が下りないと思います。」
「なるほどねぇ・・・無理に上の依頼は受けれないと・・・。
じゃあさ、この赤文字の奴は?」
「あぁ・・・それは期限がギリギリのモノですね。
大抵はランクの制限はないですが・・・
旨味が少なかったり、難易度が高すぎて残ってしまう感じの物です。」
「これさ、仮に依頼を受けて失敗した場合ってどうなるの?」
「そうですね、物にもよりますが・・・。
採取や駆除系の依頼なら失敗しても文句は言われません。
無理難題が前提で依頼されているものが大抵なので。
特に赤字が付いているのなら尚更、失敗時の違約金みたいのも免除されますね。
ただ、何度か繰り返すようだと評価にはかかわりますが・・・。
それはおススメしませんよ。」
「ふーむむむ・・・。」
何故、私がこんなに赤字の依頼書に食いついているかと言うとね・・・。
この中のいくつかに採取の依頼があるんだけどさ。
この絵の果実たちさ・・・見たことあるんだよなぁー・・・。
私が半信半疑で決めかねていると、そのうちの1枚が風でユラユラと揺れる。
そして・・・
それはまるで、気持ちを察したかの様にヒラヒラと私の足に落ちてくる。
―――もしかしたらこれは・・・神様の啓示かもしれない。
「・・・ねぇエリック君、これ受けてみない?」
そう言って私が指し示す依頼書には・・・
シャッハ君が取ってきたことのある、あの果実が描かれていた。
そろそろ毎日投稿きつくなってきました・・・。
保険で持って最低3日に1回、出来たら最大3回投稿でやっていこうと思います。
ほんとごめんなさい。




