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神よ、与える前に考えてくれ、トイレットペーパーは武器じゃないっ!  作者: エッチな思考の鈴木
第二章 動き始めた異世界生活
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第29話:検閲、ポンコツタッグと、おかえりエンカウント





あれから5回の悶絶絶叫を繰り返しつつも、都市入り口前へと到着した私である。

流石にルード君の思い出にも慣れてきた・・・気がする。




―――まぁ、そんなことはさて置いて・・・


「やっぱ、近くで見るとすっげぇ・・・。」


なけなしの語彙力を捨て去る程度には巨大な真っ白な壁を

私はしみじみと、目で楽しんでいた。

だって、本当に進撃のなんちゃらが襲ってくんじゃねぇのってレベルなんだもの。


しかも、近づいてみて分かったことだが、この壁・・・継ぎ目がないのだ。

コンクリートと言うべきか・・・

でっかいぬりかべがぐるーーっと一周を囲んでいるような・・・

ん~表現が難しい。

少なくとも人工物であるし。

でも材質は石っぽいって言うか・・・うーん・・・やっぱよくわからんっ!!


ちなみに

こんな無駄な壁観察をして立ち往生している私だが、それには理由があった。




―――私は現在・・・行列に並んでる。


それも超の付くレベルの行列に・・・。


大きな橋の右端に並んでる人の数はおよそ100人ぐらい・・・かな?

私は現在、その行列の最後尾・・・。

そう・・・最後尾なのだ。


橋の中央から左には、荷馬車用の通路の様で大きく空けられていて。

たまに大きな荷物を積んだ荷馬車や、豪華な様相の高級馬車が通っていた。

ちなみに、行列が半分なくなるのに3時間近くかかった。


わかるね?

あぁ、6時間コースだよ!!

ディ〇ニー〇ンドもびっくりだよ!?


てかね、実はこの行列の事はルード君に予め聞いててさ・・・。

本当はこうならないように、早朝に出発していたんだよ・・・。




―――でもさぁ・・・


道中の不思議異世界植物の数々が私を誘惑してきたんやっ!!

だからわいは悪くないで?

わいは絶対悪くあらへんでっ!!


いやだって!!

そこらじゅうに見たこともない植物があり過ぎなんだもん!!

そんなものが道端にあったら、ついつい立ち止まって観察しちゃうじゃん!!

ここに来て始めの頃は色々あり過ぎて、ゆっくり見る暇なんてなかったし!!


でも、そのおかげでお日様がガッツリ登っちゃってるよっ!!

このまんまじゃ、宿を見つける前に日が落ちちゃうよっ!!!




―――更に3時間後


なんか、悟りを開いた気がするぅーー長かったなぁーー。


3時間・・・いや、それよりもかかってるような気もするけどね?

そもそも時計ないから体感でのアバウトな時間計測だし。

てか完全にお日様落ち始めてるし・・・。


・・・まぁまぁなんにせよ。




―――ついに私の番が来た。


準備の方は万端だ。


シャッハ君は隠しポーチの中に入ってるし。

問題のこの髪も・・・()()()()()

まぁ、髪色についてはおいおい説明しよう。

今はとにかく、さっさとこの検閲を終えてふかふかベッドで寝たい。




―――そして疲れ切った表情の私に、鎧を着た二人の門番が問いかけてくる。


「通行証の提出をお願いします。

 あと、お手持ちの荷物を渡してください、中身を確認させていただきます。」


「お姉ちゃん可愛いね?一発どう?」


「・・・。」


失礼、一人の真面目な門番と門番の格好をしたチンピラが問いかけてきた。


おい、チンピラ。

お前にはこの疲れきった顔がわからんのか?

ルード君がいたらその歪んだ顔立ちを更に歪ませてやるところだぞ。


しかもこの野郎、糞みたいなやりたいアピールをしたかと思えば

真面目に検閲してる門番くんの横で、身体チェックとかぬかして

私の麗しのボディを触ろうとしてきやがった。


あぁ・・・もちろん、盛大に顔面はたいてやったがねっ!!


幸い、隣の真面目くんが好青年だったため、公務執行妨害にはならず。

てか、女のビンタでこのチンピラ倒れたんだけど・・・こいつ弱過ぎね?

こんなんで本当に門番かよ?

この都市、壁はでかいけど、内側から簡単に打ち崩されそぉー・・・。




―――しかし・・・長い。


ま、真面目くん?持ち物チェックな、長すぎない?


ポーチに入ってるもの一つ一つをじっくりゆっくりチェックしていく真面目くん。

丁寧に、と言うよりは・・・無駄に、長い。

あぁ・・・真面目くんへの好感度がゆっくりと下がっていく。

そしてもう片方のチンピラはと言えば、検閲する気もなく欠伸をかいている。


うん・・・。



そりゃ6時間もかかりますわっ!!



両極端の二人が醸し出す、絶妙なタッグプレイ!!

いや、ほんと勘弁してください・・・。

あぁ・・・日が落ちて・・・暗くなっていくぅ・・・。




―――そんな感じで、精神をすり減らされている私に


後方から・・・鳴り響く・・・謎の重い振動音。


・・・。

あっ・・・うん??

・・・。

ん~~?・・・なんかすっげぇ嫌な予感するんだけど・・・えっ、デジャヴ?


・・・・・。


いやいやいや、流石にそれはないでしょう!?

えっ、だってここもう森の中じゃないし・・・


アレとのエンカウントイベントは終わったでしょ!?

おかわりはいらないよっ!?


おいっ!目の前のポンコツ二人組っ!?

青ざめた顔で私の後方を見るのをやめろっ!!?


嘘だろ!?

はっ!?マジで言っての!?


もう、とにかく爆速の勢いで振り向く私。




―――そして、私の瞳に映ったのは・・・


黒光りする鎧を着た

ボサボサの黒髪おかっぱの・・・たれ目デブオーガだった。



あ・・・いや、違う・・・・・これ一応人間だわ。


よーく見ると、人間の顔をしていた。

お世辞にも顔はいいとは言えない・・・と言うかブサイクだけど。

背中にでっかい斧背負ってるし、この街の傭兵さんか何かかな?


びびったぁ・・・本物オーガかと思ったわああぁぁぁ。

エンカウントはもう勘弁・・・。


・・・ん?

でもだったら、何でこの二人はびびってんの?




―――私のその疑問に対して一瞬で答えが返ってくる。


デブオーガの巨大な右腕が私の口をわし掴み、私の身体を持ち上げたのだ。



・・・え?


・・・なにこれ?


突然すぎる状況に、思考が停止する。

だが私のそんな疑問にも、このデブオーガは呑気な口調で答えを返してくれる。


「今日はついてるなぁ~。仕事終わりにメス壺げっとぉ~。」


そのふざけたセリフと共に、ブサイク顔を狂喜の笑顔に歪ませて。



・・・。



・・・。



・・・。




・・・・・は?



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