第18話:決闘、マッチョと私、それと最強の永続トラップ
目の前で繰り広げられた、受け入れたくない光景に
私が羽織ったトサカのマントの下では
両足が壊れた電動ドリルのように震えだしていた。
だが・・・このまま腰を抜かしてしまったら
―――それこそここで・・・すべてが終わる。
「流石の悪魔でも、俺ほどでかい獣人は初めてか?なぁおい!」
上半身を大きく膨らませたオオカミ男は
その見当違いな怒りを私に向かって吠えている。
無駄に威嚇しなくたって、こっちは十分ビビってるってば。
だからさ、その怖い顔で睨みつけるのはやめてほしい、ちびるから。
いや、もう結構ちびってるんだけど。
そんな私の精神的ダメージも知らないで、オオカミ男は威嚇を続ける。
「俺はよ、本気になってない相手を嬲る趣味はねぇ。
だからよ・・・。
さっさと正体を見せてくれよ・・・なぁ、青刻の悪魔さんよぉっ!!」
・・・ん?
なるほど?
・・・つまり、オオカミになっても紳士的な精神は持ち合わせているわけね?
だから、ここまで何もせずに来たわけか・・・。
んん~?
もしかしたら、私に後ろから不意打ちされたかったとか?
そんなんを望んでたり?してた?
え、もしかして、勝機を私逃してた?
・・・いや、でもそれなら、仮に不意打ちしたとしても、
それを返せるだけの余程の自信があるのか・・・。
と言うか、もしかしてちょっとやそっとナイフとかで刺しても不死身とか?
あぁー・・・なんか超ありそー・・・。
てか、そもそもさっ!
そんな紳士的な精神を持ち合わせてるんならさっ!
私の話も紳士的に聞いてくれないかなー!?
紳士を使う方向性、絶対間違ってるってぇーーー!
てかさ、これで死んだら・・・私、絶対お前を恨むからなっ!!!
きっと蚊ほどの意味もない精一杯の睨みを利かせて
私は自らの心を奮い立たせる。
―――いや・・・違うな。
意味もない思考時間だったかもしれないが・・・
おかげで、自分のペースを十分取り戻せてきたと、そう言うべきか。
フフッ・・・そうだ、そうだよ。
ここからは私のターン・・・私のターンになるんだよ。
なぁ、頭アホ助なオオカミマッチョさんよぉ・・・
今この場を支配してるのはお前じゃない・・・お前じゃないんだよ。
この場を支配するのはさぁ・・・
―――この・・・私なんだよっ!!!
「わかった、本気を見せれば、満足してくれるんだ?」
「・・・漸くか。
まぁそうだ、それでいい。それでこそ・・・気持ちよくぶちのめせるっ!!」
何か殺意全開の恐ろしい単語を聞いたような気もするが
そんなことは一切無視して
私はゆっくりと目を閉じ、心を落ち着かせる。
―――よし・・・覚悟は決まった。
なぁ、オオカミ男くんよ・・・お前は2つの大きな過ちを犯した。
一つはお前が紳士的過ぎたこと。
そしてもう一つ・・・
そのおかげで私はお前に勝つことができる。
さぁ、その身をもって悔やめっ!
ここまで、この時のために取っておいた・・・いや、温めておいたっ!
―――私の最強の切り札を、受け取れっ!!
「刮目しろ、そして刻めっ!これが・・・我が最強の必殺奥義っ!!」
オオカミマッチョが目を細め、無音で私の最強攻撃に身構える。
―――だが、そんなものは全くの無意味だ。
なぜならば
私が繰り出したる最強の必殺奥義とはっ!
このっ・・・!!
「魅惑の官能美少女バディだからさっ!!!」
―――私は、素っ裸になった。
―――オオカミマッチョ思考中・・・。
「なっ!?はっ!?えっ!?うぇええええええええええええ!?」
「はっ・・・どうだっ!恐れ入ったか!!」
「お前っ!何考えてやがるっ!!ばっ、馬鹿か!?馬鹿なのかっ!?」
―――全く、何を愚かなことを言っているのか・・・。
馬鹿な事?
いいや、実際に今のお前はどうだ?
お前の戦意は・・・どうなってる?
―――凄く・・・削がれているじゃないか。
なぁ・・・?
童貞ウブなオオカミおーとこ君っ♡
「はっ!戦略的かつ効果的な攻撃と言ってもらいたいねっ!」
「な、何が効果的な攻撃だっ!ふっ、ふざけてるんじゃねぇぞっ!!
だ、だから何だっ!俺はてめぇをぶっ殺すっ!!」
「あっそ、じゃあ私はお前が少しでも動いたら、アレに指を突っ込む!」
「はぁっ!?」
オオカミ男くんアホ面が更に引き立つ様な間抜けな悲鳴が、森の中を木霊する。
―――さぁ、ゆっくりと嘗め回すように私の神秘の柔肌を拝むがいいっ!
どうだ!このしっとり滑らかなタマゴ肌は?
どうだ!このぷりんっとした掴みやすそうな、実用的な二つの山脈は?
どうだ!このつるんっとした・・・いや・・・ここは、私も結構恥ずかしい。
しかし何よりも!その魅惑ボディを踏まえた上でのこの美貌よっ!!
だからさ・・・諦めたまえ、オオカミ男くん。
―――・・・いや、童貞オオカミくぅーーん♡
この状況に入った時点で、君にはもうー・・・勝ち目何てぇーーなひのたよぉ♪
「て、てめぇっ!?おちょくるのも対外にし・・・。」
「あっ!動いた!!はい、指突っ込む―。」
「なっ!?や、やめいっ!!」
「次動いたら指動かすからねー。」
「あぁ・・・くそっ・・・くそくそくそくそっ!!!」
「はいダメ―、それも動いたと見なす―。じゃあ次はねー・・・。」
まぁ、こんな感じで連続の必殺ハメ技奥義を繰り出し
私は・・・完全なる勝利を収めた。
ちなみにだが、
童貞男くんは7アウトの2本安打から3ベースを2往復ぐらいで負けを認めた。
「参った?」
胸を張り、勝ち誇った私の質問に、疲労困憊の童貞くんは弱々しい返事を返す。
「・・・もういい。」
「拗ねないでよ。
と言うかさ、
そもそもこっちの話をちゃんと聞こうとしなかったあなたが悪いんだからね?
ねぇ、わかってる?」
「・・・わかった、いや、わかりましたからっ!!
だからお願いです・・・服を・・・服を着てください。」
そう、情けない言葉を吐いた童貞オオカミくんを見て
―――今、私は心から思う。
愉悦、と。
かけたー
こんなんをどこかで描きたかった―・・・愉悦。
今更だけどさ・・・トイレットペーパー全然出てこないな!
いや、シャッハ君は最強すぎてねっ!中々使えないわけですよっ!!
大丈夫、これからどどぉーっと放出する予定はあります!
トイレットペーパーはあります!あるんです!




