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シャロン  作者: あきをとおる
プロローグ
1/8

プロローグ





ステージの熱。

背中から迫り来る音の渦。

驚くほど海を思わせる、ギターのセンリツ。

正面から受けた白いライトの向こうに見える、誰か。


変わらない。


あの頃も、今も、何も。


熱に浮かされるように、私は、ほんの少しだけ、笑う。






"プロローグ"



ーーユリエさん、初期の作品は、今も根強いファンがいるようですが、当時と今ではテイストがだいぶ違いますよね?


「はい。作曲してる人が違うので」


ーー初期の頃の曲は、昔のバンドの曲だということですが


「学生の頃にやっていたバンドです。私のデビューが決まると同時に解散になりました」


ーー曲だけは使って、ということですよね?


「そうです」


ーーなんだか業界的な闇を感じるお話ですが笑


「私が頼みました。どうしても、デビューするなら今のバンドの曲がやりたい、って」


ーーなるほど、惚れ込んでいたというわけですね。


「そうです。」


ーーユリエさん、ストレートですねー!


「嘘をつく必要が?」


ーーさすが、"笑わない歌姫"。発言がクールです!

ずっと同じ人に作ってもらうのではなく、徐々にテイストが変わったのはなぜですか?

前はかなりロックテイストでしたが、今はロックというよりポップスに近いですよね?


「大人に...」


ーーはい。


「大人に、ならなければならないと、思ったから、です。」


ーー大人、ですか?


「私は、あの曲たちに、熱烈に恋をしていた。今でも、そう。苦しいほどに恋い焦がれています。でも、恋は永遠ではない。愛に変えなくては。愛を知らなくては。大人になって初めて、あの頃を愛せると思ったからです。」


ーーなるほど


「だからこれは、私が、生まれて初めて恋を知って、愛するために離れていく、物語なんです」




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