ある日の朝
愛など存在はしない。
ここにあるのは、黒いテーブルと白いソファー、カラカラうるさい換気扇だけだ。
愛など存在はしない。
窓を締め切り、遮光カーテンに閉ざされたこんな場所に
愛など存在はしないのだ。
----でもいつか、でもいつか。
私は思う。
いつの日かあの暑苦しい遮光カーテンを開き、
朝の爽やかな陽光を浴びて、
今日も一日頑張ろう、などと思える日が
いつか来るのではないかと。
その時、黒のテーブルには色鮮やかな朝食が並べられるであろう。
その時、白のソファーには満足げな顔の私がいるのであろう。
その時、明るい朝の街には、幸せな家族が笑うのだろうか。
その時、温かな陽光に誘われて、美しく鳴く小鳥が鳴くのであろうか。
しかし、今日も。
愛など存在はしない。
今日も遮光カーテンは閉めきられている。