スライム、趣味をみつける
空は遠くまで澄み渡り、小鳥のさえずりが聴こえてくる
今日はとても良い天気だ
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リオ「おーいスライムー!もう朝だぞー?起きないのか?」
スライム「む?もうそんな時間か…少しゆっくりしすぎてしまったな」
リオ「まぁ、家はオレ1人だし別にいいんだけどな」
リオはこの街で一人暮らしをしている
両親は商売を営んでいる。兄弟は兄1人、妹1人の合計三人兄妹。
スライム「まさかこの広い家にお主1人しか住んでいないとはな」
リオ「へへっ、驚いた?」
スライム「うむ、さぞかし家賃が高かろう」
リオ「そう思うだろ?実は立地が悪いっていうのもあってまあまあ安いんだよな」
スライム「ほう、それはよいな」
リオ「ところでスライム、お前に名前はないのか?」
スライム「う〜む……よく考えてみれば無かったな」
リオ「名前はあったほうが便利じゃない?」
スライム「では、バルトックス・マシンガンストロング・ジョセフ・ゲルバトーナ1世というのはどうだろうか?」
リオ「うん♪却下!♪」
スライム「ガーン…!」
リオ「当たり前だろ、名前長すぎるんだよ!」
スライム「ではどうするか?」
リオ「ん〜……そうだ!」
スライム「思いついたか!」
リオ「さっきの名前は省略してバルマってどうだ?」
スライム「え?バル〇?」
リオ「その伏字はやめろぉぉ!!!」
スライム「なんかしっくりこないな……」
リオ「そうか……じゃもう強制的に井村でいいか」
スライム「なんだと…!?井村だと!?ちょ…それだけは…」
リオ「それだけは…何?井村?」
井村「ぎゃあああああ!!!」
家中に井村の叫びが響き渡った
井村「ホントに井村に決定なのか?後悔しても遅いぞ?」
リオ「おう。別にいいけど?」
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名前が「井村」に決定した。
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井村「ところでリオよ、我はここで何をすればいい?」
リオ「することか……別に何もないかな…」
井村「そ、そうか。」
リオ「そうだ、お前これ持てる?」
そう言ってゲームのコントローラーを手渡した
井村「うむ、それくらい簡単に持てるぞ」
リオ「それじゃ、暇つぶしにワンプレイしますかね」
ゲーム機の電源を入れ、自分もコントローラーを手に持った
井村「……?」
ゲーム『さあ、始まりました!魔物カート6のお時間です!』
井村「なんだ!?画面が喋ったぞ!」
リオ「やっぱゲーム知らないんだな」ニヤリ
井村「ゲームとはなんだ?」
リオ「説明しても時間がかかるからまず1回やってみよう!」
井村「お、おう!」
リオ「ほら、ここのボタンが決定ボタンで……」
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リオ「……と、こんな感じ。覚えた?」
井村「ま、まぁ…とりあえずは覚えたぞ」
ゲーム『好きなキャラクターを選んでくれ!』
リオ「ほら、好きなの選んでいいぞ!」
井村「コイツは強そうだな!」
リオ「お、それ選んだか!目の付け所がいいな」
井村「そうだろう、もっと褒めるがいい!」
リオ「オレはこれでっと……!」
ゲーム『レーススタートまで、3 2 1
go!!!!!!』
リオ「飛ばしていくぜぇ!」
井村「うお、皆速いな!?」
リオ「スタートダッシュを成功させた方が有利に進めるんだ!」
井村「何!?先に教えてくれよ!?」
リオ「へっへーん」
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ゲーム『結果発表』
リオ「さてと、1位は誰かな〜?」
井村「ふん、我に決まっておろうが…!」
ゲーム『優勝チーム、赤!!!』(リオのチーム)
リオ「っしゃあぁぁぁ!!!」ガッツ
井村「我は…負けた……のか…………?」
リオ「そゆこと〜!」
井村「ぐむむ……次こそは勝つぞ!」
リオ「おう!かかってこい!」
〜3時間後〜
井村「ふっ……」
井村は強者の笑みを浮かべた
リオ「……くそっ…………!」
井村「まさか我にこのような才能があったとはな…」
リオ「少し練習しただけで上手すぎなんだよ…!」
現在、25勝3敗で井村の圧勝である
井村「ま、君も充分強いと思うよ…?」フッ
リオ「嘘つけぇぇぇぇッ!!!」
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意外な才能を発見した井村。
これからゲーム漬けの日々を送っていくことになるとは思いもしなかったリオであった……
つづく