本音みたいな本音
「泣きたいときに泣けないと苦しいから今のうちに泣いておけ」
そんな言葉を言ったのは誰だったんだろう。
大嫌いな自分の、この「アイ」がとても苦しくて、醜くて
形にならない声や、流れていく「アイ」が、自分とは思えないほど
綺麗に思えてきた。
もはや既に意味など成していないこの体を愛でる人など考える暇も無く
「アイ」の流れも止まった頃に、惑いを帯びた殺意に任せ
この首の、息も止めたくなるぐらいに記憶から現れた貴方。
「『アイ』はここにあるよ。見失わないで。」
深く記憶の隅まで焼き付けられたこの言葉。
「アイ」を教えてくれた貴方。
嫌いなものは仕方がない。
自分が自分を嫌いなのは誰しも思うかもしれない。
けど、そんな自分嫌いの自分を受け入れてくれる
「自分嫌いの誰か」に出会えた。
そのまま、無機質な色だったものが、息吹に触れていった。
「アイ」がそこにあると気づく同じ頃、
私は少しだけ、希望を持てた気がした。
「自分」ってどんな存在なんだろうなって。