報告と明日からの事
今回を多少のエロ妄想が出てきます。
少しですのでご安心を
あの後、家族全員で食事をしてから、今はこの一月の間にしてきた依頼について報告している所だ。
「・・・では、その空間の歪から新たに異形がこの世界に迷い込む可能性が高いと?」
「ええ、あくまで僕の空論ですが。出来れば偶然であって欲しいですがね。」
「クルスさんの見た異形はそれ程厄介な物なのですか?」
「いえ、単体であれば大人の女性ほどの力があれば苦労はするでしょうが葬れる程度です。しかし、数が増えると厄介な事この上ない程の化け物です。それに、その化け物が単体戦では弱いが集団戦ではめっぽう強い異形であることも厄介な事の一つですね。」
「例えば?」
「まず、数だけの心配ならどうってことないと言う者が僕の知る人の中で多少は居たのですが。」
「ですが?」
「その人は自慢の異能で群がってくるその化け物を笑いながら片っ端から焼き殺して行き、数千万という位の数を相手にした後。」
「した後?」
「我々と孤立した僅かな隙に周りを囲まれて、後方支援の届かない場所へと追い詰められていき、駆け付けた時にはその人だったという異形の人型をした魔物に変えられていました。」
「「「・・・」」」
「どうしてそうなったか解るか?」
「恐らく、仲間を殺される毎にその力と繁殖力を増していくその魔物に生きながらにして肉体を貪られて、運悪く魔物化の異常状態付与を与える魔物に状態異常にさせられたのでしょう。通常は一番簡単に治せる状態異常ですが、悪いことが重なったとしか言えません。」
「悪い事とは?」
「その異常状態を治す方法は見つかっているだけでは一つだけ。時間の経過のみです。気が急いた家族が何家族か、治療の異能を使って治そうとして、逆に症状を速めて手遅れになったことが有りましたから。ですから、結論として。その人も運悪くその状態異常を掛けられた後に、自分たちが食う肉体をずっと保持しようとするその化け物によって治療の異能を施されたのでしょう。魔物にもその土地に住む限り異能は宿りますから。大抵はその種族、というより血筋によって宿る異能に偏りは有りますが例外もありますので。」
「「・・・・」」
「他に厄介な異形はいるか?」
「ほとんどの異形が厄介と言えば厄介ですね。割とまともなのが一般の成人男性なら一対一で倒せる小型犬サイズの見た目狼の、ハニュートと呼ばれる異形でしょうか。一応、初めに使い魔にした異形ですので相棒として重宝してますが・・・・。参考に見て見ますか?」
「いや、それは後でいいだろう。・・・で、クルス君がこちらで見た異形はその一匹だけだったんだな?」
「はい。一応歪は治しておいたので問題ない筈ですが、去年の僕に続き、今度は異形までとなると。少しこれらの情報をこの世界の政府の機関に説明した方が良いと思います。もし、あちらの者で僕以外が紛れ込んでいて、邪教の信奉者ならかなり厄介です。こちらの研究者に調べさせないと手遅れになりますよ。・・・簡単には信じないでしょうが。」
「その件に関しては俺達大人に任せてくれ。なんとか手遅れにならないように俺の人脈を総動員させて全世界に調査の範囲を広げてみよう。・・・あと、序に済ませて来てくれた依頼だが、依頼主とその原因の女性の両方からお礼の伝言と謝礼金を受け取っている。お前の口座に入れたから後で確認しといてくれ。・・・そんなところか。学園の話に関しては楓に任す。俺はこれから関係各所に情報の一部を開示してくる。クルス君は、一応何時でも電話に出れるように携帯の電源は入れて置いてくれ。電話を使うかどうかは向こうの判断次第だが。」
「解りました。」
「では、行ってくる。」
そういって、異形専門討伐会社、関東支部の社長にしてクルスの上司、楓と紅葉、それと11歳になる三女、桜の父親、風蔵寺藤蔭は討伐会社本店への報告をしに、家の外へ向かった。
恐らく、メールや電話などでは傍受の可能性があるため、多少時間が掛かるが、風の精霊に頼んで情報を届けて貰うのだろう。この辺りは何時まで経っても進歩が無い、というより傍受の技術が進歩し続けているのだろう。
「では、私からは学園の授業とバトルについて。明日、私と共に編入の手続きをして貰いますが、まず学園に入ること自体に手続きが要ります。学園外の門型転送装置の隣の管理者用の建物の中で体中の検査をして貰い、特殊なドリンクを飲んで体の上腕にバーコードが浮かぶのを確認できた人のみが学園に入ることを許されます。
その後、クルスさんの編入先は高等部なので、高等部エリアの生徒会専用の建物の門へ行き、管理人に手続きをして貰います。この手続きに半日は掛かるので、その間に教職員棟に行き、編入の手続きとカリキュラムの確認とクラスの確認、最低限度の能力の確認、入寮の必要の有無を確認されます。恐らく、この作業が半日は掛かるので終わるころには生徒会の受け入れ準備も終わっている筈なので、再度生徒会の専用の建物へ行きます。
・・・ここまでで、何かありますか?」
楓の言葉に、あまりの厳重な管理体制に呆けていた俺は気を取り直して
「いえ、続けてください。」
「では。建物へ入ると、先ず生徒会の書記の方が身分証の提示を要求してきますが、先に行った教職員棟で身分証を発行してくれている筈ですので、それをみて貰えば通してくれるはずです。
そして、階段を上がって2階に行き、左手の突き当りの部屋に入ると会計の方が居ます。そこで、自分の異能に合った条件の服、靴、武器等、お金の掛かる物で学園側が用意出来る物は申請してください。余程の金額でない限り受理される筈です。・・・?何かありますか?」
「ええ、ちょっとだけ。僕の異能を使った装備は楓さんも知ってる通り、色々と特殊すぎてこの世界では手に入らないと思うんです。靴一つにしても元の世界の造形師に一から作って貰って、その人の異能により、僕の成長と共にサイズも変化する、特殊な物です。僕はあらかじめ、その人に予備も含め全ての装備に5個ほどの色違いの装備を作って貰ってます。ですので、出来ればこの世界に、物を復元できる復元師の様な方が居れば、その人との契約をさせて貰えるようにして貰う事は出来ますか?武器については、僕の場合、異能の武器化が有るので必要ないですが、装備だけは命に係わるので。」
俺の要望に楓は微笑
「その事なら問題ありません、私の知り合いにもいますし、生徒会の中にもそれ専門の人がいますので、問題ないでしょう。契約金も、その場合は学園側が月契約でその個人に支払われるので生徒が気にする必要はありません。中には個人間の依頼でやり取りをしている方々もいますが・・・。装備に関してはよろしいですか?」
「ええ。話の続きをお願いします。」
「解りました。そして、普段の制服を採寸した後にエレベーターで5回に行き、正面の部屋に副会長がいる筈なので、その方に自分の武器用の工房の使用許可と必要な設備の設置の要望を伝えます。・・・そして、最後に最上階の8階に行き、生徒会長と挨拶代わりの模擬戦をして会長が満足すれば明日はとりあえず終わりです。・・・一応今年度の生徒会長は例外的全くの互角の実力だったために、例年では一人の処を男女の二人が務めます。そのために男女間の差別は有りませんが、戦闘スタイルが全くの真逆の為に恐らく二人をそれぞれに相手するか、二人同時に相手するか問われると思いますが、息は何故かピッタリなので同士討ちの誘いは効きません。そこだけ注意してください。・・・それ位ですね。他の留学生の事などは明日のこの時間か学園でバッタリとあった時などにでもお話します。それでは、お風呂にしますか?それとも・・・・私を食べますか?」
何故か、顔を真っ赤にさせてお決まりのセリフを言う楓
・・・恥ずかしいなら言わなきゃー良いだろうに・・・。
「楓さんも捨てがたいですが、今日の処は明日に備えてお風呂で暖まった後、素直に寝る事にします。昼間に運動は十分したので訓練も大丈夫ですしね。」
「それでは、お風呂が出来たら呼びますので、何時もの部屋でくつろいでいてください。・・・それでは。」
と、楓は風呂を沸かしに浴室へと向かった。
そして、俺たちの話が終わるのを待っていたのか、桜と紅葉が
「クルスお兄ちゃん、今日は諦めますけど、明日か明後日には稽古、付けてくださいね?」
「私も、兄様の影でもいいから稽古を付けて欲しいです。」
その言葉を聞いて俺はほほえみ
「解りました。紅葉ちゃんは多分、影ではもう役不足だろうと思うので、明日、稽古を付けてあげます。桜ちゃんは影を作るくらいなら道場でも十分ですし、別に疲れませんから今から作ってあげるので、連れて行って構いませんよ。一応3体ほど作るので、見学が退屈なら運動がてらに紅葉ちゃんも影を相手にしたら退屈も紛れるでしょう。」
俺はそう言って、自身の身体能力のみを移した影を作った。
(影、3体、武技のみ付与)
そして、座っている場所から影が実体化し、3体の等身大のクルスの影が現れた。
「はい。これで遊んできてください。僕の影なので少しエッチですがね?セクハラ対策には成るでしょう。」
「「はーい。それじゃー、遊んできまーす。」」
二人仲良く影を付き添わせて道場に向かって行った。
「それじゃ、僕もそろそろお風呂を貰いに行きますか。」
そうして、浴室に行った俺は何故か裸で髪から全身びしょ濡れになって浴室にお湯を張っている楓を見て
「酷くそそられる格好ですが、何があったんですか?何が起きたか大体想像は付きますが。」
俺がそういうと、楓は苦笑して
「想像通りです。序にここで、私を召しあがりますか?クルスさんには三度も救われていますからね。要求されれば拒みませんよ?どこでも応えますのでいってくださいね。」
「いえ、今は良いですよ。今から温度操作の訓練がてらお風呂を貰いに来たのでまた今度という事で。お気持ちだけ貰っておきます。」
「そうですか?残念ですが、仕方ないですね。それでは、お休みなさい。」
「ええ。良い夢を」
「はい。良い夢を」
そういって、俺はお風呂を貰って後就寝した。
余談だが、紅葉と桜の相手にした三体の影は一体が粉々で、一体が朝まで正常、もう一体が二人にいっぺんに襲いかかられて、倒れていた。
二人曰く
「この影自体の武技はお兄ちゃんに似てるけど、体力が桜を想定してるから私には物足りなかったんです。」
「私には丁度いいですが、紅葉おねえちゃんの影が一瞬で使い物にならなくなったから、二対二でタッグマッチをしてたんです。」
との事らしい。
・・・だから、退屈しのぎだって言ったのに・・・
と思うクルスであった。




