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浅草駅のホーム

「ねぇ、そんなに具合悪いの?」


「え? まさか顔色悪い?」


「うーん…っていうか、ジェットコースター乗ってからあんまり表情が動かなくなった」


「ごめん…二回乗ったのはちょっと…」


「本当に?」


「なんで?」


「だってなんだか、こないだとおんなじ」


「ええ?」


「ほら、幼なじみの子のこと、話す前とおんなじ表情。…秘密は作らないで?」


「うん…そっか、そうだね。ごめん。……ジェットコースター乗るときにさ、前にカップルいたじゃん? あれがね、この季節になると思い出すっていうその幼なじみの人だったかもしれない」


「え、つまり、修二が好きだった人?」


「そう…。えっと、ごめんな…」


「ううん。話してくれたほうが全然嬉しいよ」


「…なら、よかった」


「でも偶然てあるもんだね」


「まさか東京にいるとは思わなかったよ」


「久しぶりに話、したかったんじゃないの?」


「…いや、この手はもう離さないよ。僕らはいつも一緒だからね」


「…修二」


「ま、むこうも彼氏いるなら話ずらいだろうしね」


「…ありがとう」


「いや…」


「ありがとう」


「うん…」


「…電車、遅いね」


「だね。…ああ、五分遅れてるみたいよ」


「あ、ほんと! もう待ちくたびれたー」


「あと二、三分だよ」


「えいっ」


「う、なに? いきなりどうしたのさ」


「暇つぶし」


「暇つぶしにこんなとこでキスする?」


「だってよく考えたら今日まだしてなかったし…、それに…」


「それに?」


「さっきの、嬉しかった。『この手はもう離さない』って」


「そ、そっか」


「あ、修二顔真っ赤!」


「え? あ、ほら、電車きたぞ?」


「それ逆方向だよ」

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