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夜景の見えるレストラン

「二人で朝焼けを見に行ったなんて、すっごいロマンチックじゃないですか! その人、今何してるんですか?」


「うーん、よくわからない。風のうわさで結婚したって聞いた」


「え? そうなんですか? 先輩、あたしてっきり『今の彼氏だよ』って言うかと思いましたよ」


「ああ、それは期待させてごめんね? でも別にあたしは今の彼が好きだから、今話したのは青春のいい思い出として心のアルバムに閉まってあるの」


「なんだか、惜しいなぁ。でも、今の彼、お金持ってるんですよね、うらやましい」


「菜奈? 恋愛とお金は、別のもだよ? あたしは彼が超貧乏のニート君だって、気持ちが変わらなければ構わないよ」


「ええ? 先輩、すごいんですね」


「…ごめん、やっぱニートは嫌だ」


「はは、じゃあ、あたしの彼はだめだ」


「え?」


「もうね、あたしいないとだめなんですよ。完全なヒモです」


「でも好きなの?」


「ですねぇ」


「菜奈のほうがすごいじゃないの」


「こういうのは、慣れですよ、慣れ。あたし、そーいう恋愛ばっかりだったんで」


「月並みだけど、いつか素敵な出会いがあるよ。それにそれは今の彼かもしれないし」


「先輩が言うと説得力ある」


「でしょう? あたしはね、経験してるの。壊れそうな恋愛とかね」


「…今話してくれた人ですか?」


「うん。今はもういい思い出になったけどね、あの後三年間くらい引きずってたな。なんであんなにいいムードで告白しなかったんだろう…、って思うとそればっかり考えちゃって。ほんと、だめなやつだよね」


「そーいうものですよ」


「まぁ、そうやって、思ううちにあたしは今の彼に出会ったの。大学生で、予備校の先生だった。『合格したら付き合おう』って」


「それも十分素敵ですね」


「そうだね。だから、あたしは今の彼しか興味ない。たぶん、これからもずっと」


「…一つ、突っ込んでもいいですか?」


「うん? なに?」


「薬指のソレは、その誓いの象徴ですか」


「うん。一昨日買ってもらった。えへへへ」


「いーなー、お金持ちー」


「へへへ。まぁ、結婚はまだだけどねぇーへへ」


「…先輩! 飲みすぎじゃないですか?」

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