第二十三話 噂と囮
第二十三話 噂と囮
今宵もクーヤの研究は進められていた。
まだ知らぬ事象を解明し、知識欲を満たす。彼の知的好奇心は非常に高く、それは最早渇望と言っていい衝動であった。
「あー、くそ。わからん」
死体となった魔獣を切り刻み、その肉片を持ち上げて眺めてみる。肉片からは自分の中に巡る魔素とは少々異なる魔素が、びっしりと付着しているのを感じる。だが、似ているだけでやはり違う物質であるというのがクーヤの考えだ。
「魔素に似た物質って事はわかってるんだがな……」
世間の魔術師の中には新しい魔術を解明しようとする研究者もいる。しかし、魔力が魔素の塊であるという事を研究しようとする者はいなかった。その理由は感じることしか出来ない、目に見えない物質だからだろう。
この世は物質世界だ。
目に見えない物などこの世には沢山ある。それは太陽から降り注ぐ紫外線であったり、身体から発せられる熱であったり、ビルの間に行き交う電磁波であったり。匂いというのも目に見えない分子の集まりだ。
目に見えないから、理解できないからと言って、便利な不思議な力と切り捨てるのはどうだろうかとクーヤは考えている。
「しかし……本当に魔素と似ている性質だよな」
殺した魔獣から汚染された魔素が段々と減っていくのを感じた。
人が死んだ後もその身体に魔素がいつまでも留まっているわけではなく、徐々に体内の魔力が減っていく。
魔術を使う魔獣との遭遇もあり、魔獣が魔術を使う様子を避けながら眺め続ける事も行った。結論としては、魔素と同じ様な性質であるとだけ。魔獣が汚染された魔素を使って魔術を行使したが、放たれた魔術は魔素に含まれたエネルギーが切れると世界に霧散してき、感知できなくなった。
人が使う魔術も同じような反応を起こす。
魔術として行使された魔力は、その集まりである魔素のエネルギーを食いつぶすと収束していき、やがて消え失せる。
物質としての性質は同じなのだろう。だが、似て異なる物である。
「普通の魔素と同じ性質なら、生きたままのが研究し易いか」
魔獣の死骸から汚染された魔素が加速度的に減っていくのを感じる。
もうこの魔獣では実験の続きが出来ないだろう。クーヤは新たな実験材料を求めて森の中をゆっくりと歩いていった。
疲れ果てたクーヤがオワゾに戻ったのは夜が明け始めた頃だ。
結局あの後魔獣を見つける事が出来なかった。死んだ魔獣ではなく、出来れば生きている魔獣で研究を進めたかった。
魔素は生命力のような物と考えている。死んだ者はその身体から段々と魔力が失われていき、やがて完全に消え失せる。生命力の溢れた、生きた魔素で魔素汚染の研究を進めたい。
全身に疲労が溜まったクーヤが布団に潜り込む。
ほんの数時間であるが、睡眠を取る事は重要だ。倒れてしまったらその数日分本来の仕事が遅れてしまう。家に帰る前に焼きいれ用の火床に火を入れておく事も忘れない。今日は焼き所で刃物の製作予定なのだ。
身体を揺すられる感覚にクーヤは目を覚ました。
明らかに睡眠時間が足りていない。その事を自覚しながら、寝ぼけたまま朝食を済ませる。そんな様子をラビとアリスが心配そうに彼を見るが、口を噤んで言及を控えた。自覚があるからこそ彼女達は口に出さない。もし自覚が無くなれば、直ぐにクーヤを寝床に縛り付けようとも考えていた。
そんな彼女達に心配をかけて本当に申し訳なく感じた。クーヤは頭を掻きながら今日の予定を思い起こすと、顔を洗って焼き所へと向かっていく。
今日は鉄を使っての刃物作りだ。
寝る前に暖気しておいた窯に、硼砂を振りかけた包丁鉄を入れて高温で熱する。窯から取り出し加熱された鉄を金槌で叩くと、溶けた硼砂が酸化した鉄と共に花火のように飛び散った。
この前作った鉄塊はその日のうちにある程度の大きさに分解された。ケラの中には炭素量1~1.5%の玉鋼の他に、0.7%ほどの左下鉄、0.1~0.3%の包丁鉄などが混在している。炭素量が異なる鉄をそれぞれ別になるよう分解し、金槌で叩き選別した。
一例には13トンの砂鉄、13トンの木炭に対して出来る鉄の塊は2.8トン。そのケラからさらに選別され、炭素量の多い部分を玉鋼と呼ばれる。日本刀などの高級な刃物の原料にされるが、その量は2.8トンのケラから取れる玉鋼の割合は1トン以下という僅かなものである。
刀を作るには玉鋼が一番適しているのだ。熱処理により硬く、曲がらず、粘り強くでき、研磨しやすく、錆びにくい。
日本刀を作る時の材料とする玉鋼は保管し、その他の比較的炭素量が少ない鉄は農具や包丁を作る時に用いる事にした。農具は昨日作り終え、今では畑を世話する者へ渡している。
刃となる部分を金槌で懸命に叩き上げていく。白熱を放つ鉄を金槌で叩きながらおおよその形を作る。鉄がしっかりと締められたのを感じると、包丁の形になるように丁寧に切り落とし成形を行う。満足の行く物が出来上がるとその刃物を傍に置き、最後の仕上げは次回の仕事とした。
そして次の鉄片へと手を伸ばす。
「っ――!」
ぐらりとクーヤの視界が揺れる。
ここ数日の短い睡眠時間に身体が悲鳴をあげ始めた。流石に無理をしすぎたのだろう。特に昨夜、いや今日の睡眠時間はかなり少ない。身体が睡眠を欲している。
これ以上無理に作業を進める事無く、一時中断してクーヤは焼き所に作った長椅子へ向かった。その途中、近くで作業をしていた者に少ししたら起こすようにと頼み、彼は身体を横にした。
焼き所に壁は無い。
あるのは屋根を支える数本の柱のみ。長椅子に仰向けになったクーヤの身体を風が撫で、その場所を通り過ぎる。
離れた所にいるが、窯から放たれる熱を此処まで感じる。それがとても心地よく、彼は目蓋を閉じた。
目を瞑ると急激に睡魔が襲ってくる。抗う事無く、意識を闇の中へと手放した。
アリスと共にイース達が村の中を歩く。
イース達が再びオワゾへと訪れた。川で魚を獲っていたアリスと合流し、現在新しく作った場所へと案内している。イースが訪れた事を報告するため、焼き所へ向かう一行。クーヤとラビもそこに居るだろう。
「いや、なんつーか……この村の発展は凄まじいな」
「物流が途絶えている場所とは思えないっすよ」
道すがら、前回見た光景とは異なる風景に目を丸くさせていた。
イースが滞在していた時には未完であった露天風呂が完成している。ラビが地面に開けた穴は水を引き入れる前に浴槽として設備されており、穴の周囲には大きめの石が敷き詰められた。石同士の隙間には粘土が詰められ接着されている。
水路と繋がった後、露天風呂の外側には木の板が立てかけられ外から見えないようにされている。クーヤによって浴槽の周りに温度調節用の魔方陣も描かれた。魔力を注ぐのはもっぱらラビの仕事であるが。
浴槽から溢れるお湯を川へと戻す水路も完成した。戻す水路が出来上がるまで水浸しになってしまった範囲が広くありもしたが、現在は良好である。
露天風呂は兎獣人達に好評だ。
あまりの心地よさに当初はのぼせる者も続出したものだ。風呂に入るときの注意点としてクーヤが説明したのだが、入浴という娯楽に抗える者が少なく一時は洞窟での治療行為の再来となるような事態となった。
入浴時間の制限なども提案してはみたが、のぼせる者は未だに居るとエリーナから聞いた。その事実にクーヤはため息が出るばかりであった。
「後であの露天風呂というのを堪能してみたいもんだ」
「構わないが……他の者が入っていない時だけだぞ。覗きも禁止だ」
「ちぃ」
畑の世話をしている者にも金属製の農具が使われている。
前回まで木製の農具を使っている者が多かったばかりに、イース達もこれには本当に衝撃的であった。物流が途絶えたこのオワズで金属が生成されているなど、誰も想像してはいなかった。
「まるで無から有を作り出しているようですね。実はクーヤ君って錬金術師とかですか?」
「錬金術の心得もあると言ってはいたぞ。扱いが難しく、魔力も大量に使うから出来ないらしいがな」
錬金術とはなんでもない鉄を金に変える、賢者の石を作るというのが広められている。だが、非金属を貴金属に変えるというものが根源付近にある。つまりはある元素から他の元素を作り変えるということ。
錬金術のやり方は諸説あるが、この世界では魔力の粒である魔素を操り元素に干渉する事で可能としている。
「しかし、錬金術でなくとも物を作り出す事は出来る。何も無いように見える場所であろうと、それを行うための道具とそれを成す為の情報があれば誰でも作り出せるんだ。それが――クーヤの知識というものだ」
誇らしげに胸を張ってイース達に言い聞かせる。
その姿は見惚れるほど活き活きとしており、クーヤに対するアリスの尊敬が伺えた。だが、まるで惚気に当てられたような気分になり、イース達はやれやれと頭を振る。
「クーヤって一体何者なんっすか?」
「世界を少しだけ詳しく知る者、だな」
会話をしながら足を進めていると目的の焼き所へと到着した。
焼き所を訪れると、長椅子に横たわるクーヤの姿と腰掛けるラビの姿が見えた。アリスとイース達の姿をラビが見つけると、ひらひらと手を振り歓迎する。
「……何をしているんだ?」
「作業してた子に少ししたら起こすように言われたみたいなんだけど、起こすのも悪いと思って寝かしておいてあげてるの」
「そうか、確かに最近睡眠時間が少ないからな。今日も朝方帰ってきたし……」
「おお! 朝帰りっすか! やるなぁク――」
立ったまま寝言をほざくショルにアリスの力の篭った裏拳が鼻柱へと突き刺さる。盛大に鼻血を撒き散らしながらゴロゴロと地面を転がっていく。転がり続け、焼き所の近くを流れる水路へとぼちゃんと落ちる。狙って落ちているのだろうか。
「話をはぐらかすな。私が言っているのはそれの事だ」
びしりとラビの膝へと指を突きつける。
「この前のお返しよ……といっても私覚えてないけど」
その膝の上に眠りこけているクーヤの頭が乗っていた。
すやすやと眠るその顔はいつもの無愛想な表情ではなく、無邪気な子供のような顔をしており、間近で見るその表情はラビの顔を綻ばせた。
「あの時は私も膝枕してくれたぞ。次は私の番だ。変わってくれ」
「ちょっと、引っ張らないでよ。起きちゃうじゃない。今度してあげたら?」
「やだ、今したいんだ」
「もう、しょうがないわね」
ラビがその場所を明け渡そうと緩やかに動く。場所を変わったアリスはニコニコと非常に嬉しそうな顔で迎えた。
「あー、悪いが。そういうのは三人の時やってくれ」
言うが早いかイースは怒りだか、嫉妬だか様々な感情を含めた拳を握りクーヤの頭を殴りつける。ガツンという痛々しい音がした。
「……いてぇ」
「おう、クーヤ起きたか」
至福の時間を奪われたアリスは不満以外の何ものでもない表情を浮かべてイースを睨みつけるが、彼等も惚気を見にわざわざ来たわけではない。クーヤに頼まれた依頼についての報告をしにきたのだ。
「…………寝起きに男の顔を拝むのは、なんか悲しくなるな」
「うっせぇ、むさいおっさんで悪かったな」
起き上がったクーヤにイースの報告が伝えられる。
「――と、いった感じで俺達が流した噂は奴隷商人の間に広まった。もうこちらへ向かっている頃だと思うぞ」
「そうか――頃合だな」
「ねぇ……本当にやるの?」
「ああ、やるぞ――奴隷商人狩りだ」
イース達だけでは外との繋がりがまだ細い。そこでクーヤの提案が奴隷商人を使うといったものだ。物流が確保出来る事に越した事は無いが、その条件を超える為には様々な問題が積み重なる。
クーヤがイース達に説明した夜、皆の意見も出し合って決めた事だ。その中には今の生活を続けた方がいいのではという意見もあった。だが、食料が川や森から取れる秋が過ぎ、冬が訪れた時にどうやって過ごすかという質問に皆は反論する事が出来なかった。
畑から取れる食料も冬を越せるほど大量には出来そうにない。自給自足には限りがあり、イース達だけではオワゾに住む住民全員を賄える量を確保するのは難しい。
本当に成功する事が出来るのか、賭けに出る部分も存在する。それでも勝ち得た時の物は大きい。オワゾを掛け金に大博打を決行する事と決めた。それでも不安は付きまとう。
重苦しい雰囲気が漂う。
そしてその場に、びちゃりと音を立てる足音が聞こえた。
「いよーっすクーヤ。相変わらず眠そうっすね。朝帰りの相手は誰っすか~」
能天気な軽い声がその場を払拭する。びしょ濡れなショルの姿にクーヤは怪訝な顔を向けるが、何も聞かない事に勤めた。
「いやいや、嬢ちゃん達が朝まで寝かさなかったんだよな。な、そうだろう?」
「イースさん現実から目を逸らしちゃダメっす。相手はエリーナ姉さんかもしれないっすよ」
「くそっ! クーヤてめぇ、手を出しやがったのか!」
「もしかしたらナナちゃんという可能性も」
「「それはない!!」」
はっはっはっ、と笑いあう三人。焼き所に男達の笑い声が響いていた。
そんな三人の様子から顔を背け、頬杖を突きながらやれやれと息を吐く。頬に置いた手で口元を隠しながらクーヤは笑った。イース達の気遣いに感謝するばかりであった。
「消えうせろ淫獣ども!」
炎と氷が錯綜する。
村の中に男達の悲鳴が響き渡った。
奴隷商人であるガブールは意気揚々とハーグの森へと向かっていた。
つい最近まで不景気な事この上なかった。亜人の中でも人気商品であった兎型が獲れなくなり、景気が良かった時期と比べて豪遊が出来なくなった事に彼の苛立ちは募るばかりだった。
亜人でなくとも奴隷は売れる。生活するには十分な稼ぎであったが、一度甘い蜜を知ってしまった彼の欲望は深かった。
最初は酒場で囁かれる噂程度のものでしかなかった。ある冒険者達がハーグの森へと腕試しに行き、兎亜人の姿を見たというものだった。その時はまだガブールもその話を鵜呑みにはしなかった。ハーグの森はこの国の騎士でさえも進行を諦めた危険区域だ。森の奥へと逃げた兎亜人が生きていける場所とはとても考えられなかったのだ。
最初は冒険者の虚言だと罵った。
だが、もし事実ならば再び夢のような生活が出来るかもしれない。その噂話はガブールの欲望にねっとりと絡み付いていた。
日が経つにつれその噂の虚実が気になりだした。情報を集め出すと、次々に出てくる目撃情報。
近隣の村からも、森の付近に兎亜人が出るという情報を聞いたとき、彼はいの一番に行動した。どの奴隷商人よりも早く行動を起こし、ハーグの森を管轄する領主に許可を申し出た。そして今、他の商人を出し抜いて目撃情報があった付近へと馬車を進めている。
早急に進めた計画は何もかもが不十分であった。
彼が御者席に座る馬車の荷台には大型の猛獣を閉じ込める為の檻が鎮座しているだけで、他には食料程度しか詰まれていない。
その馬車の周りを固める護衛として雇った者達も誰も彼もが名の知れぬ、三流の傭兵ばかりであった。
それでも高々兎亜人を捕まえる程度の仕事。この程度の装備でも十分であるとガブールは考えていた。
一行がハーグの森の手前へと辿り着く。
そしてすぐに林の間から亜人がガサリと姿を現した。長い耳、白い体毛。間違いない、兎型の亜人だ。
「逃がすな! 追え! 捕まえろ!」
ガブールが唾を飛ばしながら周りの傭兵へと指示を出す。
自分は運が良いと思った。
噂でしかなかった情報は確かであった。こんなに早く見つかるとは思わなかった。こいつらを捕まえれば再び夢のような生活を送ることが出来る。
万が一逃がしたとしても、この森で生活するなど出来はしない。此処は魔獣の巣、果実も食べられないものばかり。すぐさま森の付近へと逃げてくるだろう。
他の奴隷商人には探してみたけれど、見つからなかった、噂はデマだったと伝えれば独占する事が可能。自分の懐はさらに潤う。
ガブールの算段が次々と立てられる。
彼の指示に傭兵達が兎亜人を追いかける。彼の心がはやし立てる。逃がしたら支払いは無しだと、捕まえれば夢のような生活が再び訪れると。
傭兵の一人が兎亜人を捕まえようと腕を伸ばす。
そしてガブールは自分の目を疑った。
「…………へ?」
追い詰めていた傭兵が焼き尽くされた。
彼の視界は炎の壁によって囲まれ、先頭に居た傭兵達を燃やしていく。
いやな臭いが漂う。油の焼ける臭い、肉の焼ける臭い――人が焼ける臭い。断末魔。
突然の事態に動きを止めた傭兵達の足元にも氷柱が突き出した。先端の尖った氷柱は彼等の身体を突きぬけ、叫び声がその口から漏れだす。破れた腹から、開けた口から大量の液体があふれ出た。不気味なオブジェとなった人形が、その場に乱立した。
それはまるで昆虫の標本のようで、だけれども現実味のない光景で、だからこそ認めたくなくて。彼の心はしだいに壊れていった。
ガブールは何がなんだかわからない。目の前の光景をただ愕然と眺め続けていた。
気を取り戻したのは自分を守る為の護衛が地面に倒れる音を聞いた後だった。
「いよう」
ガブールが気づかぬ間に青年が馬車の隣へと姿を現している。
近くには頭をどこかに置き忘れた護衛が倒れ、青年が持つ細長い刃物には赤い液体が滴っている。
その青年は何の感情も浮かべていないような瞳をしており、飄々とガブールに話しかけた。
「あんたに用があるんだ。ご同行を願おうか」
返事を待たず、青年が視界から消える。
そしてガブールの視界は反転した。一体何が起きているのか解らない。意識が途切れる間、これは夢なんだと逃避を行った。
夢の中ではその昔優雅に過ごしていた時期を思い出すばかりであった。
「あ~、酷い目にあったな」
「イースさん、頭がすごい事になってますよ」
「ウィムだって天辺が焼け野原だぞ。ショルも今日は高く飛んだな」
「死ぬかと思ったっす……。空から落ちる感覚に慣れてきている自分が怖いっす」
「まぁ、彼女達が本気なら僕達なんてひとたまりもないですけれどね」
「まったく、せっかく場を和ませてやったのにこの扱いはねぇだろう」
「ラビっち達にエロ会話を振るのは危険っすね」
「僕達からエロを取ったら何が残りますか?」
「いや! そこは何か残そうぜ!」