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【完結】AIが選んだ相性率100%の運命の相手は20歳差でした  作者: 藤崎まみ
最終章 全て重なれ深い愛

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5 「俺が!萌恵の100%の相手だ!」

ブクマ、リアクションありがとうございます。


後楽園駅から、歩いてすぐの商業施設のスターバックスに向かっていた萌恵。チャットを見ると、三浦もすぐ来られそうだった。


平日の15時という時間帯だが、そこそこ人通りは多く道行く人とすれ違いながら歩いていると、ふと見覚えのある姿があった。



「あれ?…真由!」

「萌恵じゃん!偶然!元気になって良かった。

…あ、この人があきら」

「どーも」

「こ、こんにちは!」



黒髪の長身の男性は私服だったため、隣にいることに気づかなかった萌恵は、デート中に声をかけたことを後悔していた。

真由にごめん、とジェスチャーするとヒラヒラと手を振ってくれる。



「萌恵はどこ行くの?待ち合わせ?」

「うん。上のスタバで、中学の友達と会うの」

「そっか、また連絡するね!」



バイバイと軽く手を振りあって別れた。

萌恵は三浦のことも、今度真由に話さないとなと思いながら足を進める。


店が見えてくるとキョロキョロと入口の前で待っている制服姿の男性の姿があった。


記憶の中の三浦より大分身長が高く、顔は面影はあるけど自信がない萌恵。

…多分、三浦くんだよね。

じっと見つめて近付くと、相手も萌恵に気づいてぱっと手を上げた。



「白川さん!来てくれてありがとう」

「三浦くん、すごく背が伸びたんだね。一瞬誰か分からなかった」

「高校で20cm伸びたんだよね。親戚にもよく言われる」



中に入ると、店内は受験シーズンのためかノートや参考書を抱えて机に向かっている学生が多く、席は全て満席だった。

1月の寒空の下は流石に寒く、テラス席は空いていたので、ホットドリンクを購入して座った。


ガタガタガタと近くにあるジェットコースターの音が響く。風も冷たくて、ぎゅっと縮こまる萌恵はそっとホットドリンクを口にする。



「ごめん、寒いよね。すぐ用は済ませるよ」

「ううん、大丈夫。

…どうしても会って話したいことって何だったの?」

「あのさ、俺。公務員目指してるんだ。縁もゆかりも無い長野から来てるから、面接通りやすいように文京区役所のコンビニでバイトしてる」



公務員試験ってものすごく難易度が高いんじゃなかったっけ、と驚く萌恵。確かに三浦は中学でも成績優秀だった気がしていた。



「…すごいね。大学は国立狙ってるんだよね?」

「うん。…それで俺、夏から受験勉強でバイト休ませて貰ってるんだけど、今年の春頃は平日はほとんどバイト入ってたんだ」

「…春頃、…文京区役所に?」



萌恵はドキッと胸をざわつかせる。

今年の春頃に萌恵は母親とA.I.S(アイス)の個人登録に文京区役所に出向いて、あの日は大騒ぎだった。


…もしかして、あの日。三浦はあの場にいたのだろうか。



A.I.S(アイス)が相性率100%の二人をマッチングさせたって、大騒ぎだった。

すぐに箝口令が敷かれたし、俺がたまたまA.I.S(アイス)の管轄の課の人と親しくて、ペーペーのバイトでも知れただけなんだけど。

あれ…白川さんだよね?」



萌恵はヒュッと息を飲んで、真剣な目で見つめてくる三浦を固い顔で見つめ返すことしか出来なかった。




***




孝之は後楽園駅に降ろされると、駅近の学生が行きやすいカフェを手当たり次第に探した。


受験シーズンで高校生がとても多く、萌恵と同じ制服の女子生徒を何人か見かけるが、萌恵はいない。


もう今頃は相手の男と合流してしまった頃だろうか。


見るからに高級なコートとスーツ姿で息を切らして早足で進む、見目麗しい孝之にチラチラと目を向ける道行く人々。


…ダメだ、もしかしたら商業施設の方かもしれない。


孝之はスマホで萌恵に通話をかけながら、駅から徒歩すぐの商業施設へ向かうが、…通話は一向に繋がらない。

足早に階段を登ろうとすると降りてきた男性とぶつかりそうになる。


後ろにいた連れが、萌恵と同じ学校の制服で黒髪の女性生徒だった。孝之はハッとスマホから耳を話して顔を見つめる。



「…萌恵?」

「ちょっと!…なんすか」

「…いや失礼。ハァ…人違いでした」


…違う。萌恵じゃない。

連れの男がジロリと孝之を睨みつけるのに、荒い息を整えながら、軽く頭を下げて謝罪する孝之。



「今、萌恵っていいました?

…もしかして、あなたは“孝之さん”?」



その黒髪の女子生徒は真由だった。

真由は萌恵から聞いて『浅見孝之』をエゴサしていたので、会社サイトに乗っていた写真で顔を見たことがあった。

…実物の方がずっと良い男で実年齢より若々しく、本当に自分と20歳差か?と驚いていた。


孝之は、なぜ彼女が自分のことを知っているのかと思案しようとしたが、今はそんな場合ではなく、なりふり構っていられなかった。



「…っそうです。

萌恵が、今どこにいるか知りませんか?通話に出なくて…!」

「少し前にばったり会って、上のスタバで友達と会うって…」

「!…ありがとう…!」



孝之は真由に軽くお礼をすると、そのまま足早に階段を登っていく。

一人困惑する真由の彼氏のあきらは、眉間に皺を寄せて首を傾げていた。



「何?今のサラリーマン、知り合い?」

「あー、萌恵が本気になる理由もわかるかも…」

「?なんでちょっと照れてんの…」



孝之は階段を登り切ると、ついには走り出す。

特徴的なスターバックスの看板が見えてくる。店の前まで駆け寄るとテラス席の奥に制服姿の男女を見つける。


萌恵だった。


しかもどこか表情は照れているように頬を染めている。相手の男は何かをまくし立てるように会話をしているようだった。


孝之には男が萌恵を口説いているようにしか見えなかった。

向かい風がビューッと強く吹きあげ、会話は聞こえない。


孝之の視界が暗く狭くなっていく。

早く萌恵の元へ駆け寄りたいのに、体がズンッと重たくなっていた。


男が萌恵の左手に手を伸ばそうとした時、孝之がやっと二人のところにたどり着いた。


後ろから萌恵の左手に自分の左手を重ね、右腕で萌恵の体を強く抱き締めた。



「…俺が!萌恵の100%の相手だ!」



腹の底から叫んでいた言葉は、ガタガタとジェットコースターの通る音で周囲には掻き消された。



「…た、孝之さん…!?」







お読みいただきありがとうございます。


わー!!(語彙力のなさ)

本日3回更新し、完結予定です。

お付き合い頂けると幸いです。


評価、ブクマ、リアクション励みになります

よろしくお願いします。

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