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【完結】AIが選んだ相性率100%の運命の相手は20歳差でした  作者: 藤崎まみ
第4章 言葉に出来ない恋心

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2 「問題は孝之さんなんじゃない?」

ブクマ、リアクションありがとうございます。


萌恵が受験勉強の合間に、数時間だけ真由をショッピングモールに呼び出し、一緒に下着を見繕ってもらった。


人がいる場で孝之のことを話せないので、真由は萌恵が色っぽくて大人っぽい下着ばかり手に取るのを心配に思っていた。


…そこは将来アパレル店員を目指す真由としては似合わないものは避け、大人かわいいを強調した可愛らしいパステルピンクに黒の締め色が入ったセットを推した。


自分も話したいことがあったし、飲み物を買って萌恵を人気のないベンチに座らせる。



「ねぇ、萌恵どうしちゃったの?

やっぱ孝之さん案件?」

「う、うん。なんかぐるぐる考えすぎちゃって…」

「少し前まで盛大に惚気けてたのに、どうしたの?

…もしかして、無理に身体を迫られてるの!?」



真由の真逆な勘違いにギョッとして、ぶんぶんと首を振る萌恵。


真由は、あんなプライベート空間でうら若い萌恵なんぞ連れ込んでしまえば、ペロリと美味しく食べてしまえるだろうと勝手な想像を膨らませていた。


…萌恵が何とかギリギリで躱しつつ、せめて武装しようと下着を求めているとばかり思っていた。



「違うの、その…。

やっぱりあんなとこ連れてって貰って、()()ないなんて…私が魅力ゼロなのかもぉ…!」

「えっ!?嘘、なにもってなに!?萌恵!ちゃんと話して!」



ベソベソと半泣きで項垂れる萌恵の体を揺すって、宥めつつ、頭にクエスチョンマークを重ねる真由。


ポツリポツリと夏の思い出を語る萌恵。

少し前ならハイテンションでいかに楽しかったか語り尽くしていたはずなのに、萌恵は子どもっぽくはしゃいで遊び尽くした自分を恥じていた。


真由はどこからどう聞いても、大人の恋人同士の夏の思い出100点満点のロマンチックな一日のデートに、感心しながら萌恵の何もなかったを反芻する。


最後の寝室での花火鑑賞なんて、孝之にとってキスの一つなんて容易かったはず。



「萌恵、それ大事にされてるんだよ。…嘆くとこじゃないって」

「この前もプレゼントに香水くれたし、分かってる。わかってるんだけど…!」

「女としては見られてるよ、せっかく可愛い下着買ったし!自信もって!」

「うん…、ありがとう真由…」



受験や仕事で会えないから、当分お蔵入りになる予定の勝負下着の入ったショップバッグを抱きしめる萌恵。


ーまさか、孝之が萌恵に触れるのを必死で我慢をしているなんて、見当もついていない若い二人。


真由は自分の選んだ、あんな可愛い水着姿の萌恵と一日過ごしておいて、孝之さん枯れてるんじゃないか?とすら思っていた。


甘いカフェオレを一口飲んだ萌恵が、ふと思い出したように真由を見る。



「ね、真由はあれからどうなってるの?全然聞いてないけど」

「あー94%の男ね…。それがさ。…うん。

見てくれた方が早いかも」

「なになに?チャット?……え!?!」



真っ黒のフリフリ、ゴスロリワンピースに、同色のリボンが盛り盛りついたヘッドドレス。地雷メイクバッチリで、萌恵が作った黒基調のゴテゴテパーツネイルチップをつけた人差し指で、あっかんべーした真由。


その隣に真由をちらっと見ている、真っ赤な長髪に耳に数えられないほどのピアスをつけ、口ピアスに顔色悪そうなフェイスメイク。服はスカートのようなズボンのような服で、ジャラジャラとネックレスやブレスレットを身につけていた。

とにかくゴリゴリのビジュアル系スタイルの男性が映っていた。


…プリクラだ。痛プリクラだ。



「ま、真由これって…」

「そう。あきらって言うんだけど、会おうって行ったらこれで待ち合わせ場所に来たの」

「えー!!これは予想外だった…!」



真由が遠くを見るようにベンチの肘掛に立てた手に顎を乗せながら、その時のフードコートの異様な空気を思い出す。


歩きなれない厚底ブーツに遅れを取って、先に待っていようと思っていたのに、チャットを見ると先に着いているようだった。


待ち合わせのマクドナルドの前の椅子にどかっと足を広げて座っていたのが、ビジュアル系バンドのジャケット撮影コスプレのような真っ赤な髪の男だった。



「ふふっ…!あ、ごめん。

じっと見てたら真由、可愛いなって」

「笑い事じゃないのよ!マックの前で異様な二人の待ち合わせで遠巻きに人に見られるし!

目が合って一瞬でわかったわよ!!

相手ビビらせようってお互いに思ってるって!」

「わー、真由ちゃんもご乱心だ…」



他人事のように落ち着いていた真由が、ワァ!と急に荒れだして、萌恵はどうどうと落ち着ける。



「…でもこれピアス何個空いてるの?髪の毛もわざわざ染めたのかな?ウィッグかな?」

「口ピアスは偽物だった。けど耳と髪はホンモノだって。

…なんか本気度に負けた気がするのも、悔しい」

「あははは」



話をよく聞けば、あきらは美容師学校に通っているそうで、A.I.S(アイス)の結果を聞きつけた友達に色々やってもらったと言っていた。


今は既に、髪は赤を消すように真っ黒に染めて、伸びていた毛先は切り落としてこの写真よりずっとワイルドな印象の男になっていた。


真由はA.I.S(アイス)に決められた94%の男が、どんな男か気になるのではなく、いかに反発する自分を見せつけられるかに賭けていた自分を恥じていた。


そもそも自分を相手にさらけ出さないことには、相性なんて合うはずがない。



「あきらさんってどんな人だったの?」

「ん。ふつーに、良い奴だったよ」



萌恵は真由が珍しく恋する乙女のような照れくさい顔をしているのに、キュンっと胸をときめかせていた。


さすがA.I.S(アイス)。識別結果が、こんなに正確なんてどんな計算で導き出されているんだろう。



「…私、ちょっと今回ので、相性率がいいからお互いが好きって思う前に、自分はこういう人間だけどあなたは?って確認がいるんだなって思ったの」

「うん、擦り合わせ…だよね」

「その擦り合わせで、どれだけ自分を出せるかにかかってるのかなって。

…萌恵は100%ぶつかってるって感じするから、そのままで大丈夫だよ」



問題はどっちかって言うと、孝之さんなんじゃない?


と真由はそこまで言いたかったが、余計な口出しをできるほど恋愛経験がないため、ぐっと口をつぐんだ。


萌恵は真由ってやっぱり大人だな、と思う。

そして、孝之が萌恵のことを一人の女性として見られなかったとしても、それは彼のせいじゃないと思っていた。



「ね、真由。今度この話、孝之さんにしていい?」

「…うーん、まぁいいよ」




お読みいただきありがとうございます。


本日も21時にもう一話アップします!


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よろしくお願いします。

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