第3章:ドラゴン vs 尺の暴力
それから数日後。
俺はリリエルさんに半ば強引にパーティに誘われ(「あんた面白いから」という理由で)、クエストに出ることになった。
その時、街に警報が鳴り響いた。
『緊急事態発生! 緊急事態発生! 古代竜が接近中!』
空が暗くなり、巨大な影が街を覆う。
伝説の魔物、エンシェント・ドラゴンだ。吐息一つで国を滅ぼすと言われる災害級モンスター。
「嘘でしょ……あんなの勝てるわけないじゃない!」
リリエルさんが震えている。
周囲の冒険者たちも戦意喪失して逃げ惑っている。
俺は覚悟を決めた。
今の俺はただの『エタ』だが、真名を解放すれば神話級の力が手に入る。
やるしかない。
「リリエルさん、俺が時間を稼ぎます。その間に避難を!」
「えっ? でもあんた、レベル1の村人じゃ……」
「見ててください。俺の本当の力を!」
俺はドラゴンの前に飛び出した。
ドラゴンが俺を見下ろす。その瞳には、矮小な人間に対する侮蔑の色が浮かんでいた。
「グオオオオオオ!!(我ガ眠リヲ妨ゲル者ヨ、灰トナレ!)」
ドラゴンが口を大きく開け、灼熱のブレスを溜め始める。
俺は大きく息を吸い込み、叫んだ。
「我が名は!!」
「エターナル・インフィニット・クロノス・オーバーロード!!」
俺の身体から金色のオーラが立ち上る……ような気がする。
ドラゴンが一瞬、動きを止めた。「ん?」という顔をしている。
「レジェンダリー・カタストロフィ・フェニックス・リバース!!」
ドラゴン、ブレス発射のタイミングを見失う。
「いつ撃てばいいの? 今? まだ?」と戸惑っているようだ。
「アビス・オーシャン・アンド・ギャラクシー・スターダスト・ウィズダム!!」
「グルル……(早クシロ……)」
ドラゴンが貧乏ゆすりを始めた。
「アクア・エンド・クラウド・ハイ・ウィンド・デスティニー!!」
「グォォォッ!!(ブレス発射!)」
業を煮やしたドラゴンが炎を吐いた!
「サンクチュアリ・オブ……うわあぁぁぁ!!」
俺は必死に横っ飛びで回避する。
「……ヘヴンリー・フォートレス・イージス!!」
ドカーン!
背後の建物が吹き飛ぶ。熱い! 死ぬ!
だが詠唱は止められない。止めたら最初からやり直しだ!
「カオス・ラビリンス・ヴォイド・ウォーカー・イン・ザ・ダークネス!!」
俺は瓦礫の陰に隠れながら叫び続ける。
ドラゴンは「チョコマカト……!」とイライラしながら爪を振り下ろす。
「エルドラド・パイポ・ゴッドスレイヤー・エクスカリバー・シューリンガン!!」
バキィッ!
隠れていた壁が粉砕される。
俺は地面を転がりながら、泥だらけになって叫ぶ。
「ガーディアン・ドラゴン・バハムート・グーリンダイ!!」
ドラゴンが攻撃の手を止めた。
「アレ? ナンカ身体ガ重イ……」
ドラゴンの動きが目に見えて鈍くなっている。
「ファンタズム・スピリット・エレメンタル・ポンポコピー・アンド・ポンポコナ!!」
俺は立ち上がった。
喉は枯れ、全身ボロボロだが、瞳だけは燃えている。
さあ、ラストだ!
「……アルティメット・ニルヴァーナ・サクセサー・ラスト・エンペラー・チョースケェェェェ!!!!」
言い切った!
噛まなかった!
さあ発動せよ、女神のチート能力!!




