341.カワハギと肝の海鮮パスタ
「きゅう〜〜……」
ルルが自分の頬をもみもみ〜〜っとする。
もみもみ、ふわふわ。
カワハギの身を満喫して、ルルは幸せの極致にいるようだった。
もちもっち。
ルルにカワハギの身をプレゼントして、エミリアは他の処理に移る。
イカもさばき、貝を開けて身を取り出す。
そこからフライパンにカワハギとパプリカ、イカの身と貝をオリーブオイルでソテーする。
パチパチと熱せられたら、ニンニクの欠片を投入。オイルと身にニンニクの良い香りを移す。
リビングでお絵描きをしていたフォードが立ち上がり、キッチンへと寄ってきた。
「いい匂い〜」
「ええ、ちょうど香りを引き出してるの」
ルルが羽をふにふにさせ、香りを引き寄せていた。
うーん、作ってる最中も満喫しとる……。
「きゅうん〜」
フライパンで炒めながら……うーん、アンチョビを少し投入して5分ほど加熱する。
そこからパプリカ、身と貝を引き上げて……代わりにトマトソースを入れて、酸味と旨味を足す。
(肝はどうしようかなぁ)
トマトソースに入れてしまうと繊細な味が飛んでしまうかも。
肝醤油でも良いはずなので、最後に入れればいいか?
とすると……あえるみたいな。
氷水から引き上げた肝の水気を拭き取る。
小さな鍋に水を張り、沸騰させて湯引きする。1、2分ほど加熱することで、寄生虫対策もできる。
そこからエミリアは肝を引き上げて、包丁でカワハギの肝を細かく叩く。とんとんとん。
トマトソースもいい感じに熱されてきたので、引き上げた具材をフライパンに戻す。
茹でたパスタミスタを混ぜ、塩と胡椒で味付け。具材もりもりのパスタだ。
「ふぅ、あとはお皿に盛り付けてっと……」
大皿へ慎重に具材とパスタを移し替え、最後に……カワハギの肝をペーストして、乗せる。
あとはハムとベーコンの冷製サラダ
をサイドに付け加えて完成だ……!
「きゅー!」
「うわー、たくさんの具が乗ってるー!」
「ふっふふ。さぁ、食べましょう!」
エミリアとしては、この料理は未知数だ。でも料理人は自信満々に振る舞わなくては。
リビングのテーブルで手を合わせて食材に感謝し、夕食を始める。
「きゅ、きゅっ、きゅるん、きゅ、きゅ……」
リビングのテーブルの上でルルがご機嫌に揺れる。
「はい、あーん」
「きゅーん」
フォードがパスタとカワハギの身、肝の一部をスプーンに乗せて、ルルのくちばしへと運ぶ。
「きゅっ!」
はもっとルルがパスタを食べる……。で、エミリアは自分のスプーンでフォード用にパスタと具材を取り、口元に運んだ。
「はい、フォードも」
「ありがとう、お母さん!」
はふはふとフォードがスプーンの上を一口で食べる。
結構な大口だったので、フォードの期待値も高いのだろう。
エミリアは最後になってから、自分向けにスプーンでパスタを食べる。
(こ、これは……! 身が違うわ!!)
トマトの酸味の香りと海の香り。カワハギの身は――ぷりっとして弾力と甘みがある。
だが、遥かに突き抜ける身の味だ。
上質のふぐや鯛のような白身。甘みと食感。
これだけでも充分に美味しい。
「きゅーん!」
ルルがふにふにとくちばしを動かしながら、上下に揺れる。
そして2口目で……肝と絡んだパスタをエミリアも食す。
「うーん……!」
思わず唸って首を傾げてしまう。
特筆すべきはやはり肝だ。
極めてクリーミーで濃厚、また肝にも甘みがある。
トマトの野生的な旨味に比べて、磯の旨味が口の中で強烈に弾けて、爆発した。
「美味しい……っ!」
「うん、不思議な味だけど濃くていいよ!」
似ているのはアンコウの肝、フォアグラだろうか。しかし海の風味豊かさは筆舌に尽くしがたい。
貝とイカの身もしっかりと味があり、とても良い……!
それらが様々な形のパスタによく絡んでいる。やっぱりバラバラな形がこの具材の組み合わせとしては正解だった。
「きゅー!」
「次の一口ね、はーい」
今度はエミリアがスプーンに具と肝とパスタを乗せて、ルルの口に運ぶ。
この調子なら、すぐにパスタはなくなってしまいそうだった。
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