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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

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328/336

328.いくつかの後日談

 エミリアとロダンの試し合いが終わり。


 少し離れたところにいたガネットは肩をすくめた。


「とんでもない戦いだったな」

「あんた、あの人と決闘したのよ」

「……さすがに無謀すぎたな」


 キャレシーのツッコミに気を悪くするでもなく、ガネットが腕を組んだ。


 アンドリアにいた頃には考えられない反応だ。


 ツッコんだキャレシーも内心、驚かずにはいられない。


(馬鹿から馬鹿を取ったら――欠点がなくなるじゃない)


 それはつまり――諸々と色々の相手として望ましくなるのかも?


(いや、それとこれとは違うから……!)


 駄目だ。

 最近、ガネットのそばにいると思考が変な方向に飛びかける。


 一方、ガネットはふーむと唸っていた。


「しかし、あれでもまだ全然本気じゃないだろうしな……」

「……そうね。あんたとの決闘で使ったあの技を使わなかったわ」


 生体ルーン。

 エミリアの場合は漆黒の鏡のような不可思議の魔術だ。


 あれが間違いなく、エミリアの奥義だろう。


「魔力の『色』と生体ルーンは密接な関係にある。今回の試し合いからすると、カーリック伯爵も生体ルーンを使えそうだな」

「それがお互いの全力ということかしら」

「そうだろうな。俺やお前なら――10秒でアウトだろうが」

「あのふたりと戦う気なんて、私には起こらないわよ」

「それが俺とお前の違いだな」


 ガネットが目を細め、キャレシーを見つめる。


 その瞳は面白がっていた。


「さっきのアレ――海と波のイメージは無我夢中でやったのか」

「うん。すっごく疲れる技だったけれど」


 手を開いて、閉じる。


 自分でもまだ信じられない。

 まさか本当に海の欠片が……自分の身体と魔力で再現できるなんて。


「アレでいいんでしょ? 時間はかかるけれど」

「ああ、見様見真似にしては大したものだ」


 単純だからこそわかる。


 ガネットは心の底からそう思っているようだった。


 少しだけキャレシーも調子に乗ってみたくなる。


「あたしのこと、見直した?」

「いや、お前のことを別に見下していたことはないが。実力はわかっているつもりだ」


 マジな調子で答えられ、キャレシーの顔が熱くなる。


(この無自覚馬鹿はっ!)


 はしゃいだ自分が――子どもみたいじゃないか。

 というか、褒める時も素直な奴だ。


(子どもとかにも、こうなんだろうな……)


 ガネットはいつも偉そうだが、役割や義務を放棄する男ではない。

 成績は常に最優秀(素行以外)


 一家の年下の子を引っ張るのは間違いない。多分、自分の子どもに対しても……。


(いやいや! 関係ないから! そんなことは、今!)


 まただ。

 ガネットの側面について、何かを『見よう』としてしまう。


 直接関係がなくても。

 彼の築いてきた関係性を想像して……。


 良くない。

 本当に、なぜだか、とても良くない。


 そこでふむとガネットが思い出したかのように、


「ところで前に言った食事だが、いつ行く?」

「〜〜っ!」


 キャレシーは頬を膨らませ、抗議する。


 こいつはー!

 人の気も知らないでっ!


 ガネットの言動が悪いわけではない。だが彼に余裕があるのが……ムカつくのだ。


 そんなこんなで試し合いも終わり、夕方になった頃。


 エミリアはロダンと軽くお茶タイムに入っていた。


『少しの間、会えなかったからな』


 ということらしい。

 確かに試験やらで忙しかった。


(彼も気にしてくれていたのね)


 ただ、今日をもってエミリアが実施する試験は終わった。

 他の手伝いやら採点やらはあるにしても、大きなところは完遂である。


 なのでエミリアは心置きなく、ご褒美ティータイムに赴くことにしたのだった。

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「……私のこと、好き?」だったり「あたしのこと、見直した?」と自分に対する評価を相手にさらっと聞いちゃう系ヒロインと、「ところで前に言った食事だが、いつ行く?」や『少しの間、会えなかったからな』とヒロ…
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