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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

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322/334

322.挑む

 次の挑戦者は長身の男子学生だった。


 さきほどのイルザと同じ3学年だ。


(……ふむ)


 ロダンは心中で素早く値踏みする。


 魔力量はそこまででもない。

 しかし技量はそこそこありそうだ……。


 先ほどのイルザは突出した学生だろう。魔力量だけで言えば、新米騎士にも並ぶ。


 学生がロダンの前に来る。

 

 緊張、かすかな震え。

 人前に慣れていないのか――。

 

 まぁ、いい。

 

 ロダンは静かに宣言する。


「では、始めようか」

「……はい!」


 拳を前に出した学生から魔力が放たれる。


 勢いと量はさほどでもない。

 だが、探るような慎重さがある。


 ロダンはイルザの時とは異なり、同じように魔力を放つ。


 凍てつく風のような魔力を。


 相手に合わせるのも、この試し合いでは重要だ。


 ロダンが本気を出せば、5秒で終わってしまうだろう。

 しかしそれではテストにならない。


(逸材が埋もれているかもだからな)


 イセルナーレの騎士団は最高の人材のみを迎える。それは事実だ。


 だが、時にはいくつかの資質が足りないながらも騎士に向く人材もいる。


 そもそも学生の成績の尺度で騎士の成否を占うのは簡単ではない。


 なので、このようなことを行うのだ。


 40秒ほど耐えてから、学生はがっくりと尻から崩れ落ちた。


 限界が来たようだ。


「はぁ、うぅ……!」

「それまで!」


 テリーの声にロダンも魔力の放出を止める。


「まだ修練が必要だな」

「は、はい……」


 学生がうなだれる。

 自分でもイルザに及ばないと思っているのだろう。


 それはその通り。

 イルザより多くの面で、彼は及ばない。


 だが、彼は魔力を限界近くまで使った。


 魔力が底つく感覚は耐えがたいものだ。学生ならなおのこと難しい。


 その面でこの学生は根性がありそうだ。


「しかし何が足りないか自覚し、歯を食いしばれる者は騎士になる素質がある。まだ3学年なら見込みは十分と言えよう――テリー、彼に紹介状を」

「はいよー!!」

「あ、ありがとうございますっ!」


 立ち上がれない彼を、友人たちが引きずるようにして戻していく。


「精進を怠るな。では、次は――」


 こうしてロダンは次々と学生を迎えては試し合いを続けていった。


 無論、すべての者に紹介状を渡すわけではない。

 見込みがある者だけだ。


 その観点で言えば、やはり最初のふたりは有望株であった。


(最初に挑む者はやはりモノが違うということか)


 これは今までの傾向でもあった。

 最初の一歩を踏み出す者たちはおおむね、強い。


 ロダンは次々に挑戦者をさばいていく。


「まだまだ鍛錬が必要だな。次の者――」

「基礎を見直したほうが良いだろう。では、次――」


 そうして20人も試し合いをすると、さすがに挑む者も少なくなってくる。


 おおよそ、どの程度のレベルでなければいけないかが学生にもわかるからだ。


 それでも挑戦者が続き、夕方が近づいていきた。

 学生の熱狂も冷めつつある。


 しかし、そんな時こそ逸材が埋もれている。


 最初と最後こそ、なお一層の注意が必要。


 騎士は忍耐を要する。

 華々しく思われる仕事の裏には地道な訓練が必須だ。


 ロダンはふと、一人の女子学生に目をとめた。


 青い長い髪――退屈そうな顔。

 見たような、見ていないような……しかし恐らく貴族ではない。


 多分、隣の友人……金髪の男子学生に連れてこられたのか。


(あの青年は――アンドリアのガネットか)


 国内の貴族ならば、ロダンはすべて記憶している。


 北の地の武闘派貴族。しかし勇猛すぎて軍令を無視する傾向の家だったか……。


(エミリアに一蹴されたのも彼だったな)


 数か月前、そんな話をトリスターノやその他から聞いた。


決闘の才能としては、ガネットは素晴らしいのだろう。だが、騎士には不向きだ。


 そんな青年が連れている女子学生。

 1学年だが遠目でもすでに見るべきところがある。


「そこの青髪の子」

「はっ、ええっ……? あたし!?」


 ロダンに顔を向けられ、キャレシーは飛び上がらんばかりに驚いた。


 同時にエミリアもびっくりした。


 まさか、キャレシーがロダンに呼ばれるとは。


 ロダンの挑戦的で魅惑的な眼差しがキャレシーを突き刺す。


「君はすでに見所がありそうだ。前に来てみないか」

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― 新着の感想 ―
おお!エミリアの推しの子がロダンにロックオンされた! しかしキャレシー、貴族夫人(未定)と騎士って両立出来るの?
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