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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

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321/334

321.試し合い

「ようし、それじゃ私からー!」


 学生の中から勢い良く女性の声が上がる。


 エミリアの反対側のほうの人混みの中から現れたのは、豊かな金髪の女子学生だった。


 すらりと長身でスタイル良く、髪も服もばっちりキメていた。


 胸のワッペンからすると、3年生か……。エミリアと直接の接点はない。


 かなり自信ありげに、肩で風を切って中央に歩いてくる。


 奥に隠された魔力はかなりのもの。


「いいぞ、いけー!」

「お前ならやれるぞー!」


 周囲の声援を受けて、女子学生が手を振る。


「イルザか……やるんじゃないか?」

「まさか。相手は氷の騎士様だよ」


 近くの学生の話が聞こえてくる。


 立ち振る舞いや周りの反応からしてみても、相応の実力者のようだ。


(でも――)


 イルザには悪いが、ロダンの魔力には遠く及ばない。

 エミリアにはそれがわかった。


「よろしくお願いします!」

「ああ、作法はわかるな」

「はいっ!!」


 イルザは元気良く答え、ロダンのそばへ。


 気負いは感じられないが、身のこなしは素人だ。


 しかし、なんだか妙だ。


(……決闘じゃないの?)


 てっきりロダンが学生をボコ――いや、実戦指導するのかと思ったのだが。


 エミリアの知らない決闘作法があるのか?


 イルザはそのままロダンの真正面に来ると、右の拳を握った。


 そのまま、イルザは握った右腕を前に差し出す。


 ロダンも同じようにして、右腕を差し出す。

 

 拳と拳は触れていない。


 ぎりぎりまで近づいているが……本当に見たことも聞いたこともない作法だった。


「では、始めるぞ」

「はい! いつでも!」


 ロダンの言葉にイルザが力いっぱい頷く。


 ――凍てつく魔力が吹いた。


 ロダンが自身の魔力の一部を解放したのだ。

 魔力は指向性を持つ。


 風がイルザに向かって吹きつける。


 同時にイルザも魔力を解き放っていた。無色透明。純粋な魔力だ。


 イルザの身体から放たれた魔力がロダンの魔力に対抗する。


 ロダンは明らかに手加減していたが、それでも純白の魔力は肌に刺さるほどであった。


(あー、なるほど……!)


 エミリアは納得した。


 これは決闘にして、決闘にあらず。


 互いの魔力をぶつけるだけ、そうした種類の試し行為なのだ。


(まぁ、これならお手軽ではあるわね)


 ロダンの白と氷の魔力がイルザの魔力を圧倒して包み込む。


「うっ……!」


 顔をしかめるイルザ。


「いけー! イルザー!!」

「もっと振り絞れー!」


 周囲の学生は大盛り上がりだ。


 しかし、やはり実力差は歴然としている。

 だが、魔力の量と質は本当に学生の中ではかなりのレベルだ……。


(イセルナーレ魔術ギルドでいえば……あそこの職人の8割くらい?)


 エミリアは目算をつける。


 もちろん座学や経験の差は途方もないだろうが、魔力だけのレベルならそのようなところだろう。


 だが、それでも。


 吹雪に似たロダンの魔力はつけ入る隙がなく。


 消耗したイルザが一歩、後ろに下がった。


「それまでー!」


 テリーが大手を振り上げて勝負を止める。一瞬にしてお互いの魔力が収束した。


 イルザが険しい顔をして、肩で息をする。


「はぁ、はぁっ……」

「ふむ……ご苦労だった」


 ロダンは顔色ひとつ変えていない。


 やはりそれだけの差があった、ということだ。


「悪くない。相当に鍛えているな」

「ほ、本当ですか!?」

「ああ、君は3年生か。騎士団への就職を考えているなら、紹介状を送ろう」


 ロダンが立ったままテリーへ頷く。


「はいはいっと。お嬢さんのお名前は――?」


 ロダンの指示を受けたテリーがイルザへ近づく。

 テリーは懐から封筒を出し、さらさらと書き加えてイルザへと渡した。


「うわぁ、ありがとうございますー!」

「騎士は心技体、すべてが最高の人材のみを迎える。これからも学業と修練を続けるように」

「はいー!!」


 受け取った封筒を恭しく掲げながら、イルザが人混みの中へと戻っていく。


「やたぁーっ!」


 こうしてイルザは歓声に迎えられながら――次なる挑戦者に選ばれようと学生たちから次々と手が上がっていった。

1/10『呪われたモフモフと追放聖女のもぐもぐ辺境暮らし』のコミカライズが連載開始されました!!

森暮らしの少女による可愛い鷹と黒狼の物語です!


https://pashbooks.jp/series/mfmg/mfmg_01/


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何卒よろしくお願いいたしますー!!!

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― 新着の感想 ―
まさかの騎士団出張青田買い?!! ロダンさん、イイ客寄せパンダ状態!?! エミリア、どうせなら学生服着て混じれ!!
握手会じゃなくて簡易の入団試験みたいなもの? それでも難易度は高い分認められれば推薦貰えるならチャレンジしがいがあるのか。
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