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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

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316.試験と試練とぽよみ

「むしろ私こそ悪いわね。あなたの仕事を取ってしまったみたいで……」

「いえいえ! 全然、お気になさらず。私も非常勤講師として職は得ていますし、来季からは産休の方の代理で講義も担当になるので……」


 ほむほむ。良かった。

 エミリアのせいで無職というわけではなかったようだ。


 その辺はトリスターノの配慮かもしれない。


 話している間に他の補佐の教職員も来て、学生も増えてきている。


 ルールーが周囲に視線を向けた。


「おっと! すみません、学生も増えてきましたし。試験の段取りを……」

「そうね、ミスなくやりましょう。よろしくね!」


 ということで試験内容を説明する。


 エミリアが用意した試験はペーパーテストと実技だ。

 これが合わせて100点満点。


 実技は木と金属の棒に刻まれたルーンを消すこと。

 消すことができた範囲に応じて得点となる。


 棒によってルーンは違い、難易度も異なる。が、得点は棒ひとつにつきルーンを全部消せて20点。


 つまり棒2本のルーンを完璧に消せれば、40点だ。


 残りの60点はペーパーテスト。これも難易度はまちまちの設問が用意されている。


(実技の得点が高いような気がするけど……)


 最初は15点と10点で25点……つまり1/4の配点にするつもりだった。


 参考にした去年の試験内容もそうだったからだ。


 しかしトリスターノを始めとする教授会より、今年は実技の配点を40点にするよう指示があったのだ。


(去年より実技重視にせよと。そーいうことね)


 年々、ルーン消去の需要は高まるばかりだ。何せ、イセルナーレ魔術ギルドでもそうなのだから。


 インフラ整備、工業化。

 ルーン魔術の普及の反面で、すでにあるルーンを消去する仕事も増え続けている。


 刻んだルーンはいつか、消さなければならない。高度なルーンを消すには高度な消去技術が必要だ。


(まぁまぁ、どういう講義がいいかは……私には関係ないしね)


 イセルナーレに来て、まだ1年も経過していない。どのようなことがいいのか、判断するのも早計だった。


 とりあえずは目の前の試験だ。


 ガネットも友達とともに姿を見せた。


「……面白そうな試験だな」


 目の下にクマがある気がする。


 まぁ、試験期間中くらいは寝不足で勉強してもらってもいい。



 同じ頃。


 セリスとフォードは並んでうつ伏せになっていた。


 ふたりの目が合う。


「これでいいの?」

「ええ、ばっちりのはずです」


 なぜ並んで寝転がるのか。

 

 そこにルルがほふく前進を試みる。


「きゅ、きゅっ!」


 目標はふたりの頭部。


 セリスの後方から迫ったルルがぽにぽにと進んでくる。


 そして、そのまま……。


「むきゅ」

「きゅい!」


 セリスの頭をルルのお腹が乗り越えてくる。


 よっせよっせとルルがほふく前進を継続し、セリスの頭を下敷きに。


 さらにルルはフォードの頭にまで到達して、同じように乗り越える。


「きゅー!」

「むっぎゅ……」


 ルルの頭はすぐにフォードの頭も乗り越えた。


 で、そこでルルが方向転換する。


 今度はフォードの肩の部分から乗り越えようと、すりすりと前進していた。


 よじよじ。


 ルルに乗りかかられながら、フォードがセリスに問う。


「これがルルにもいいんだよね?」

「ええ……複雑な運動は身体の色々な部分を使いますからね。ルルちゃんの健康にもばっちりですよ!」


 きゅっきゅっとルルがフォードの身体を乗り越える。


 そのまま、うにょー&ぐいーんと身体をくねらせながらルルはセリスの身体も乗り越える……。


 幸せそうなセリスを見ながら、フォードは少し考えてしまった。


(でも僕たちの身体を使う必要はないよーな……)


 まぁ、気持ちいいから、いいか。

 

 フォードは疑問に蓋をして、しばらくセリスと一緒にルルの障害物になったのであった……。

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― 新着の感想 ―
あ、コレ、セリスさんが接触によるふもふもで一石何鳥かを狙ったアレですね。……羨まし……っ!!
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