表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

314/331

314.試験の日

 翌日。

 エミリアはさらに早起きした。


 というより、よく眠れなかったのだ……。試験。試験日。


(いえ、試験をするほうなんだけどね)


 だが、試験官になって思う。

 やるほうも気合を入れなければならないのが試験だ。


 学生の成績を左右し、ひいては人生をも左右しかねない――教職員はその重さをよくよく承知する。


(ふぅー……頑張ろっと)


「ふぅん……」

「きゅるん」


 隣で寝るフォードとルルにキスをして、エミリアは出かける支度を整える。


 書類、バッグ、化粧。

 一連の出勤前ルーティンを念入りにやって。


 そうこうしているとセリスがエミリアの家を訪ねてきた。


 今日も家族をみてくれるよう頼み、時間通りの到着だった。本当にありがたい。


「おはようございます〜」

「おはよう、今日もありがとうね」

「いえいえー、ルルちゃんとフォード君とお昼寝するだけですから」


 セリスがじっとエミリアを見つめる。


「今日はなんだか気合いが入っていますね」

「ええ、試験だからね。私も……ミスがないようにしないと」

「あっ、今日がそうでしたか……! 頑張ってくださいね!」

「ありがとう、行ってくるわね!」

「はーい、いってらっしゃいませー」


 セリスに家族を任せ、エミリアは家を出ていった。


 まだ朝7時。

 日は昇っているが高くなく、まだ寒い。息を吐くと少し白くなる。


 それでも年末だからか。

 ぼちぼちと出勤する人がいる。


「そろそろ締めだからね〜」


 エミリアもこの試験官の仕事が今年最後の大仕事だ。


 乗り合い馬車もまだ人で混み合い、道には勤め人があふれる。


 それでも苦ではない。金を稼ぐのは大切なことだけれど、やり甲斐があるからだ。


(――もしかしたら、常勤になれるかもだし)


 エミリアはあくまで非常勤講師。

 食中毒に当たった人の代理……でもこれなら来年も講師として携われる。


 この2日間より早くエミリアは大学へと到着した。


 すっかり早朝の大学も見慣れたもの――でもさすがにまだ早い。


 今、構内を歩いているのは試験を実施する教職員くらいのようだ。


「よし」


 試験会場の講義室に辿り着いたエミリアは、気合を入れて試験の準備をする。


 講義室の隅には、依頼しておいた金属と木の棒が置かれていた。


「ふむ……」


 これは大学からの支給品だ。

 

 試験に使用する物は、大学がチェックして発注して教職員へと回ってくる。


 今回の場合はペーパーテストと金属と木の棒だった。


 金属と木の棒は人差し指ほどの長さと太さだった。

 そこに簡素なルーンが均一に刻まれている。


(少し太いけど、麻雀の点棒みたいな……)


 まぁ、そんな連想をするのはエミリアくらいだろう。


 ひとつひとつの席に金属と木の棒、試験の用紙を並べていく。


 漏れがないように。

 数百人分ともなると結構な時間がかかる。


 棒に伏せた答案用紙……。

 ちなみにエミリアは事前用意に人の応援は呼んでいない。試験時間のみだ。


 並べ終わったあとに再度、点検し――良い時間になってきた。

 

 学生と教職員の声。

 

 試験期間は5日間ほど。

 学生も教職員も自分の担当が終われば、試験は終わりだ。


 なので今日の物音や人の声は、すでに1日目よりは少ない。


「……こんにちは」


 そこで部屋に入ってきたのは、キャレシーだった。


 青の髪と気だるそうな雰囲気。

 それでも優秀。


 学生で一番乗りは彼女だった。


「随分と早いわね」

「まぁ、ね」


 キャレシーは言って、最後尾の席に座る。

 

 それから彼女は……なんと手鏡を取り出して、席で寝癖を直し始めた。

【お願い】

お読みいただき、ありがとうございます!!


「面白かった!」「続きが気になる!」と思ってくれた方は、

『ブックマーク』やポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて応援していただければ、とても嬉しく思います!


皆様のブックマークと評価はモチベーションと今後の更新の励みになります!!!

何卒、よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ