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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
4-2 ふたつの因縁

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312/330

312.昼食話

きゅきゅい

。.:*・゜¨ ;

:゜ ˙꒳ ˙ つ 3

゜*:.。. .・:゜

 パスタはたっぷりトマトに海鮮が入っていた。

 剥いたエビにアサリの身。あとは刻んだバジルだ。


 フォークでパスタを巻き、具材を絡めて――まずは身体をぐわんぐわん揺らすルルへ。


「きゅっー♪」


 エミリアも慣れたもの。

 完璧なルルの一口サイズになっている。


 パスタとエビをちゅるん。

 勢い良く食べ切る。


「きゅう〜〜」


 もきゅもきゅ。

 ルルの頬がもちもちに膨らみ、至福の表情が浮かぶ。


 ガンツも嬉しそうだ。


「美味しいかや?」

「きゅい!」


 とっっっても!

 ルルの反応にガンツも満足気だ。


 エミリアもパスタをはもっと食べる。


(イけるわね……!)


 ぱちりと目が覚めるトマトの酸味。

 真っ赤なトマトソースに胡椒などのスパイスは最低限。


 トマトそのままの味を引き出しながら、エビと貝の旨味が深く鋭い。


 恐らくはエビの殻で出汁をとって、ソースに含ませているのだろう。


 そして具が多い。

 パスタの下にもエビや貝の身が隠れていた。


 ルルが喜ぶのも納得だ。


「とても美味しいですね」

「ここはそんなに味がキツくないからのう。あとは小麦粉よりも海鮮のほうが食べたいんじゃ」

「きゅい!」


 ルルがぴっと羽を掲げる。


 『具は……たくさん、欲しいよね!』と心から同意していた。


「大学食堂ではあまり食べてこなかったのですが、この配達は良いですね」

「良ければ、あとで店を紹介するぞい。教職員の利用客が増えるなら、店も喜ぶじゃろうて」


 大学の食堂は味そのものは悪くないのだが、何よりも混んでいる。


 安くて量が多いので、当然なのだが。


 しかし昼時の牛丼チェーン店より過密なのは、かなり苦しい。


 肘が当たるのは……もうちょっと専用面積に余裕をもって食べたい。


 というわけでこの配達なら問題は少なそうだ。

 最低限の荷物だけでいいのも良い。


「こんな時になんじゃが、ひとつだけ相談がある」

「はい……どのようなことでしょう?」

「……墓がどうなっているか、知りたいんじゃ」


 パスタを食べながら、ぽつりとガンツが呟いた。


 その意味をエミリアは即座に察する。


 イセルナーレにある墓なら、ガンツは自由に行けるはず。

 しかしウォリスはそうではない――50年、戻っていないのだから。


「すぐにとは言わぬ。遠目でも良い。ただ、一度じゃ。わしの家の墓がどうなのか……」

「お察しいたします」

「悪いのう。ふぅ……」


 続けて食べるピザもなかなかの具合だった。

 

 トマトをたっぷり、スライスしたソーセージとベーコンがたっぷり。

 

 サイズ自体は大きくないが、どことなく具が過剰な気さえする。

 店の癖なのかもしれない。


「ウォリス政府に聞いておるんじゃが、恐らく正式に許可は出んじゃろう。どうも目こぼしはあるみたいじゃがな」

「こっそり行く分にはいいと?」

「まぁ、すでに50年も前の話じゃ。わしもイセルナーレのほうがもはや遥かに長い。いまさらどうのこうもないのは、向こうもわかっておるじゃろうて」

「なるほど……」

「とはいえ、わからんがな」


 ルルは味わって食べているので、食べるのは結構遅めだった。

 ガンツの話は多分、2割も聞いていない。


「お墓はどちらに?」

「ドゥナガ山脈にある。セリド家の隣にあったんじゃよ、我が家は」

「そ、そうだったのですか?」

「うむ……だからまぁ、この話をしたんじゃ」


 一足先に食べ終えたガンツがコップの紅茶を飲みながら、息を吐く。


「我が家が取り潰されたあと、元々の領地はセリド公爵家のものとなった。そう、わしは聞いておる」


 ……色々と繋がった気がする。


 ガンツがエミリアに特別な関心を寄せる理由が。

【お願い】

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