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【コミカライズ】夫に愛されなかった公爵夫人の離婚調停  作者: りょうと かえ
3-4 距離を縮めて

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222/286

222.王都に戻って

 翌日、エミリアたちは午前中ちょっと観光をして、午後に王都へと帰ってきた。


「ふぁー、楽しかったねぇー」

「きゅい!」


 ルルは数日間の豪勢なご飯に心から満足しているようだった。


 ちなみにお土産もギルドやセリス向けに結構買ったのだが……ルルの瞳は油断なくお土産に向いていた。


(ま、まぁ……家で食べる用もあるしね)


 王都中央駅に到着して、そこからエミリアの家へ。


 ほんの数日離れただけなので、何かが変わるというわけでもない。

 しかし思い切り空気を吸い込むと、やはりアンドリアとは違う香りだ。


「では、俺はこれで」

「うん。送ってくれてありがとう」


 銀行の前でロダンと別れることになる。

 寂しさもあるが、仕方ない。


「今後のことが動き次第、すぐに連絡する。あとは……」


 ロダンの目がエミリアの持つふたつのケースに注がれる。


 ひとつはモーガンの杯、もうひとつは金銀宝石の入ったケースだ。


「わかってる。銀行に預けて、もうひとつも早急になんとかするわ」

「うむ……進展があったら教えてくれ」


 ということで銀行前でロダンと別れると、エミリアは即座に財産分与分のケースを銀行に預けた。


 とにもかくにも、家には置いておきたくない。


 で、帰りながらぷらぷらと買い物をする。

 買ったのは夜ご飯用のアレコレだ。


 買い物を終えて自宅への帰り道を歩いていると、日常に戻ってきたのを実感する。


 そしてアパートに戻ってきて、まっさきにしたのがセリスへお土産を渡すことであった。


「おかえりなさいです!」

「ただいま、これお土産ね」

「アンドリアの……おおっ、ゼリーですか。いいですね!」


 セリスへのお土産はアンドリアの水をふんだんに使ったゼリーだ。


 とはいえ砂糖、甘味ましましの果汁いれいれのゼリーで水にどこまで意味があるのか……水でどう変わるのかエミリアにはわからなかったが。


「きゅ」


 ルルの瞳が鋭く光る。

 ゼリーを食べたいらしい。


「ルルちゃん、食べます……?」

「きゅい!」

「じゃあ、一緒に食べませんか?」


 うーん、セリスはやはりいい子だ。

 とはいえこの展開を予想していなかったわけではないけれど……なので、夜ご飯はセリスと一緒に食べることにした。


「きゅっ、きゅい、きゅー」


 ご飯を作っている間、ルルがテーブルの上で舞う。

 それを横目で楽しみながらセリスと料理を進める。

 

「ははぁ、アンドリアのアンチョビ……」

「瓶詰めで買ったんだけど、どうかしらね」


 こういうお土産の価値は、思い出も込みなもの。


 だけども、このアンチョビははっきりわかるくらい濃厚な味わいだった。


 これにガーリックとパスタ、貝柱、白身魚を絡めて……濃いめのアンチョビパスタを作る。


 他にサラダ、ちょっとした貝の焼き物もつけてと。


「きゅーきゅーい」


 最近、ルルはフォークの扱いを覚えた。フォークを使って、器用にパスタを絡め取る。


「きゅい!」

「アンチョビおいしいねー」


 もっちゅもちゅ。

 フォードが目を細めながら、パスタを楽しむ。


「ところで、アンドリアはどうでした?」


 旅先から帰って、お土産を食べながら思い出話に花を咲かせる。


 喋れないことも多いけれど……。


 でも図書館や博物館の話はセリスも大好物のようだった。


「はぁー、学術都市というのは本当なんですねぇ」

「あとはお肉ね。ステーキなんかはすごく良かったわよ」


 さすがにステーキのお土産はなかった。あったとしても買う勇気はなかっただろうけど。


「あー……私も余裕ができたら旅しようかなぁ」

「それがいいわよ。羽を伸ばせるわ」

「ですよね、ウォリスにいた頃は色々と制約がありましたし」


 大公家のお嬢様なら、まず一人旅は不可能だろう。


 側用人がいるのはありがたい反面、何事も制約される。

 振る舞いがどうとか、やれ付き合いがどうとか。


 イセルナーレに来て良かったことのひとつは、自由だ。


 また機会があればアンドリアに行ってみたいな。エミリアは心からそう思った。

これにて第3部第4章終了です!

お読みいただき、ありがとうございました!!


もしここまでで「面白かった!」と思ってくれた方は、どうかポイントの☆☆☆☆☆を★★★★★に変えて頂けないでしょうか……!


皆様の応援は今後の更新の励みになります!!!


何卒、よろしくお願いいたします!

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