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詩ですⅡ

ソケット

作者: みなはら

『ソケット』 -物語の先見性-



物語を拡張したくなるとき


そのことに気づいたとき


メモのような何かしらの印を作ることがある


あるいは無意識にそのことを感じて


何かをそこに刻んでいることもある


物語は生きている


人が生きるように



心はきっとわからなくても


そこに何かを刻んでいるのだ


わかりながら記すことなど


そのうちのごく一部なのだろう


人の心が広大で宇宙に等しいように


物語の心もきっと宇宙なのだ



生きる人のごくわずかな時間


その人の周りへと映される一面の奥には


深淵にも思える心が広がっている


読み解く物語にもきっとある


そこには一目では気づかなかったこと


ただ見ただけではわからなかったものが


その奥にはある


想いへと続く扉が



言の葉であることも


言葉にすらならないことも


自らの書き綴るもののことも


読み進める人の世界のこともある



そうした扉に気づかされること


そうした鍵を見つけることは


とても楽しく嬉しいこと



今日もまた


言の葉の扉を見つけて


見えないはずの想いの鍵と出逢い


響きあう自らの心の扉を開ける



新しい世界を見つける


今まで何も無かったはずの場所に


そっと差し込まれた鍵は


まるでソケットのように


新しい世界へと命を吹きこんで


その物語を動き出させる






世界の息吹を感じる








-蛇足-

物語の先見性という言葉は、交流していた方より聞いたものでした。

自分ではソケットと呼んでいたものと近い言葉だと認識して、同義である言葉としてつかっております。


人の生き様が決して平坦ではないように、

物語も常にまっすぐではなくて、上り坂や下り坂もあり、道筋もひとつではなく枝分かれするように広がり始めることもあります。


物語の本流を進めるため、あるいは物語を終わりへと導くために、

支流となる場所は封じてしまうことが当たり前だと認識しておりますが、

人によってはその場所に、物語の先見性として事前に何かしらを置いておくことがあるようです。

意識して、あるいは無意識に。



物語は面白いですね。


楽しく読んで忘れてゆくことも、

その中の影響を受けたものだけが残り、自らの世界へと想いなどが足されてゆくこともある。


何度も何度も読み返して、自らの心に得た力をいただき続けてゆくことも、

一度しか読まずとも、心に深く刻まれた想いを糧にして歩み続けることもありますね。


二度と目にしないものにも、

拒絶ばかりではなく、

大好きであるがゆえに、影響を受けすぎて自らの書くものが揺らいでしまうことを感じて、あえて読まず封印してしまうこともあります。



言の葉というものは不思議ですね。

人の言の葉に限らず、自らの発した言葉でも、時に何かしらが残り、気づき、

そこから広がり動き出すものへと出会えることがあります。


きっと自分は、その出会いや気づきが楽しみで、本を読み、

人の綴る言葉に出逢い、そして何かを言葉にしているのでしょうね。


ここのみなさんも、おそらくはそうだと思いつつおります。



これからも良い創作と言の葉への出会いを祈っております♪

読んでいただきまして、どうもありがとうございました(*^^*)

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― 新着の感想 ―
[良い点] みなはら様が書かれているように、言葉や思いはきっとどこかの誰かが受け取って、さらにその人の中で拡張され、新しい言葉として生まれて、そうやって引き継がれていくものなのだろうなと思います。 本…
[一言]  ソケットの例えは面白いですね。  電球を繋げば、光を放ち、あたりを照らし出す「可能性」。  ひとつの物語がつけることのできる電球は、数が限られているのかも。  スピンオフという名の電球もあ…
[一言]  物語に種を蒔いて歩み進んで芽が出る頃にふと振り返り、芽吹いたソレを語るも良し、芽吹き見る者を語るも良し、芽吹いた事で起こる何かを語るも良し。  けれど種を蒔かずとも雑草なれば生える筈と、端…
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