第四話「カナリアのステータス」
馬車から降り、お父様と一緒に教会の中へ入ると、
神父さんが人の良さそうな笑顔をこちらへ向けてきた。
「さぁ、こちらの魔法陣の上へお立ち下さい。」
そう言われ、教会の奥の方にある魔法陣の上に立つ。
「では、始めます」
私がその言葉に頷くと、神父さんは何かを唱え始めた。
「自らを知り、世界を知る力…自己能力分析の力を
与える。」
その言葉の1文字1文字に、不思議な力が宿っているように
感じる。
足元の魔法陣は光り輝き、辺りにちらちらと
明るいものが舞い上がっていく。
そして、数秒の後、光は収まった。
「唱えてみて下さい。自己能力分析と。」
言われるがままに私は唱える。
「自己能力分析」
すると、目の前に青色で半透明な画面が出てきて、
私のステータスが表示された。
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ガーデニア・エル・カナリア
生命力 80
魔力150
攻撃力70
防御力60
???1
スキル
「笑顔Lv1」
「魔力操作Lv1」
「身体能力強化Lv1」
称号
「世界の守護者」
加護
「女神の祈り」
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私とお父様と神父さんは揃って表示された内容に驚く。
全てのステータスが平均以上なのも驚きだけど、
恐らく、スキルか称号の効果で、「???」という
ステータスが新しく追加されている上、
何やら凄そうな加護が付いている。
「と、とりあえず、それぞれの効果を確認しましょう。」
神父さんに促され、「笑顔」のスキルの効果を確認する。
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笑顔Lv1
自らと、一定の条件を満たした周囲の生物に
「???」のステータスを追加し、
それらの人々を、少し幸せにする。
現状、能力の有効範囲は30mであり、
範囲と、その効果はこのスキルのLvに依存する。
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「???」のステータスの発生源はこのスキルみたいだ。
それにしても…一定の条件を満たした人を、幸せに…?
何だか不思議なスキルだな。
「こんなスキル、見たことがない。」
そんなお父様の言葉に神父さんも頷く。
お父様も知らないなんて…と思いつつも
私は続けて称号の効果を確認する。
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世界の守護者
いずれ世界を守る運命にある者に送られる称号。
現状、能力は未開花。
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世界を守る。私の理解を超えたその言葉に、
数秒固まりつつも、私は狭間で女神様に
言われた言葉を思い出す。
『称号も、前世のあなたが目指していたものに
近づけるような物を与えています。』
何故か前世の記憶は少しも思い出せないけど、
この言葉通りなら、私は…前世で、何かを
守りたかったのだろう。
なら、加護の「女神の祈り」は恐らく…
未だ驚いて思考が纏まっていないであろう
お父様の声を聞きながら、私は能力の確認を続ける。
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女神の祈り
願い事が少し叶いやすくなる
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ってあれ??この流れだと前世に関係した
能力かと思ったのに…。
加護の力を深読みしていただけに、
そこに表示された能力に私は驚く。
まぁ、余りに過剰な力を与えられるよりは
良いだろう。
1人でそんな事を考えている私に、
お父様は、真面目な顔で、静かに告げる。
「カナリア、もしかするとお前なら、
飛び級で学園に入れるかもしれない。」
「…………えぇーー!?」
今回終わり方がかなり雑になってしまったかも
しれないです。
違和感ありましたらすみません…。