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04 一ノ瀬紫音

 数分前。


「くっ、なんて強さ……!」


 目の前に現れた巨大な妖魔によって、一ノ瀬(いちのせ) 紫音(しおん)は窮地に追いやられていた。

 一ノ瀬家は、代々優秀な魔術師を輩出する名門であり、紫音もまた将来を期待された若手であった。

 魔術師のうち、約二割しか到達できない二級魔術師の座に、弱冠16歳で到達した天才中の天才。


 しかしそんな天才であったとしても、一級指定妖魔を相手にするのは、さすがに荷が重かった。


(魔力の波長から、出現したのは下二級指定妖魔だと言われていたのに、実際に現れたのは一級。こんなの、勝てるわけがありません……)


 絶望に打ちひしがれる紫音。

 その直後、妖魔が彼女を襲った。


『ガルゥゥゥゥゥ!』

「きゃあっ!」


 もうやられる。

 そう思った次の瞬間、驚くようなことが起きた。


 目の前に光の線が走ったかと思えば、妖魔が一瞬で消滅した。

 戸惑いながら周囲を見渡すと、一振りの剣を握った男の姿が見えた。


 彼が妖魔を倒したと言うのだろうか?

 咄嗟に呼び止めようとするも、男は目に見えない身のこなしで消えていく。


「お嬢様、大丈夫ですか!?」


 そのまま呆気に取られていると、森の入り口で三級指定以下の妖魔を相手にしてくれていた千代(ちよ)がやってくる。


「大きな怪我はありませんね。魔力の気配的に、もしや一級の妖魔が出たのかと思いましたが、それすらも倒すとはさすがお嬢様です!」

「……わたくしではありません」

「えっ?」


 ぐっと、紫音は千代の腕を掴んだ。


「妖魔を倒したのは、見知らぬ男性の方でした。一撃で一級妖魔を倒せるほどの力を持った者を私は知りません。特徴を教えますので、探してくれませんか? ぜひお礼がしたいのです」

「は、はい、かしこまりました」


 千代に彼の特徴を伝えながら、紫音は思った。

 彼を探してもらう理由として、礼がしたいと述べたのは事実。

 だが――


 それとは別に、胸の鼓動が早まり、純粋にもう一度彼に会いたいと。

 そう思っているのも事実だった。

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