表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/32

19 特訓

 書斎に辿り着いた俺は、歴史書を中心に借りて読み込んでいく。

 数千年前から続くこの国の変遷はとても興味深く、数時間ぶっ続けで読み続けた。


「アルスくん、アルスくん、お昼ですよ」

「――――おっと」


 紫音に呼ばれ、本の世界から現実に帰ってくる。

 そんな俺を見て、彼女はくすくすと笑った。


「とても集中していましたね。そんなに面白かったですか?」

「ああ。内容もそうだけど、新しい知識が増えていく感覚はやっぱりいいな」


 向こうじゃ本を読める機会なんてほとんどなかったしな。


「喜んでいただけたようで何よりです。さあ、食卓に向かいましょう」

「ああ」


 その後、俺は2人と昼食を頂いたのだった。



 昼食後、千代は食料品などを入手するためということで館を後にした。

 紫音の命を狙うものからはバレないよう、面倒な手段で、一ノ瀬家の従者と会ってくるとのことだった。

 後で感謝を言うとしよう。


 残されたのは俺と紫音の2人。

 彼女は巨大な庭で魔術の特訓をするとのことだったので、俺も見学させてもらうことにした。


 体を動かす用の服装に着替えた彼女は、照れながら言う。


「ア、アルスくんほどの方に見られながら特訓をするのは少し恥ずかしいですね」

「やりにくいようだったら、いなくなるけど」

「いえ、ぜひいてください。気になったことがあれば、教えてくれると助かります」


 とのことだったので、そうすることにした。



 呪文を唱えながら術式を構築する彼女を見ながら、俺は元の世界のことを思い出していた。


 あちらの世界で使う魔法では、基本的に術式を使用しない。

 戦場において、術式の構築、展開を行う暇がないからだ。

 そのため魔力をそのまま様々な現象に変換するといった方法を使う。



 術式を必要とするのは、大規模な魔法だけ。

 例えば俺が浴びた転移魔法などはその最たる例だ。

 複数人で発動するため、方向性を決定する術式がなければならないのだ。

 魔法はイメージで発動するものだが、複数人のイメージが完全に一致するわけがないからな。



 その知識がある俺から言わせてもらうと、紫音の魔術にはいささか無駄が多い気がした。

 一人で戦うための力なら、術式を経由しない方が効率がよさそうだが……。


 まあ、こっちにはこっちのやり方があるのだろう。

 そう思い、ひとまず口に出さないまま彼女の特訓を見届けるのだった。

新作を投稿しました。


『女装転生者のハーレム無双【新ジャンル:ノンストレス異世界転生学園ハーレムラブコメ!】』

https://ncode.syosetu.com/n6005gr/


異世界もので学園ラブコメという、新しいジャンルになっています。

気楽に読めて笑える作品になっているので、邪神が死んだ世界に~を読んでいただけている方になら気に入ってもらえると思います。


よかったらご一読ください!

下のリンクからもいけます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ