表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機奇なる転生  作者: ホロホロ
一章
5/5

食堂にて

――ガヤガヤガヤ


そこは一言で言えば食堂だった。料理を貰う為多くの人が並び、テーブルを囲み談笑しながら料理を食べて賑わっている普通の食堂だ。そう、その一人一人が角を生やしていたり尻尾をいるという点を除けば。


(え、ちょここどこ!? 周りヤバくない!?僕が食べられちゃうよ!?)


「…おい」


(ヤバイよヤバイよ!何で転移した先でいきなりピンチになってるんだよ!!これ周りの人多分魔族でしょ!)


「おい嬢ちゃん」


(くっ こうなったらもう一回クリスタルを使うしか…!)


「おい嬢ちゃん!」

「は、はい!?僕は美味しくないから食べないで!?」

「はー?何言ってんだ? 列並んでるんなら進んでくれや。俺達も腹減ってるからよ。」

「え、あ はいすいません、進みます。」


後ろの筋肉ムキムキのミノタウルスに言われるがまま前の人に習い進んでいく。


「ご注文は?」

「え?えっとー…(ヤバイ!急がなきゃまた怒られちゃう!)お、おススメで!」

「えーと…では本日の日替わりの軍隊鰹のフライランチはどうでしょう?」

「は、はい!それでお願いします!」

「分かりました〜。600コルになります〜。」

「え、は、はい了解であります。ではこれで。」

「はーいちょうどお預かりします〜。ご飯のおかわりはご自由になりますのであちらからご利用下さい〜。」

「あ、ありがとうございます。」


料理を受け取り空いている隅らへんの席に腰を下ろす。 あ、フライ美味しそう。

(じゃないよ!!何で僕は普通に食事をしようとしてんだよ! え、何ここ?魔界?周りが恐ろしいよ! 骸骨の人とかどうやって食べてんだよ!あ、口から入れると消えてくんだ。へぇー面白い…)


あまりの急な展開に付いて行けず半ば現実を逃避し始めた時、先程のミノタウルスが声をかけてきた。


「なぁ嬢ちゃん食わないのか?冷めちまうぞ?」

「え?あ、はい!いただきます。」

「そんなビクビクしなくても大丈夫だぜ?嬢ちゃん新入りなのかい?」

「えっとー…」

(え、どうしよ?正直に言ったら殺されたりするかな? いや、でも何て説明すれば…)


考えた末に微妙に嘘を交えながら説明してみることにした。


「えっとー、何か見慣れないアイテムを手に入れたので、説明も読まずに使ってしまったら何故かここに転移してしまって…」

「ふーむ?転移系のアイテムは簡単に手に入るもんじゃねーから、俺も詳しくは分からねぇなぁ。 しかし、いくら珍しかったからって説明も見ずにアイテムを使うのは止めた方が良いぜ?」

「え、えぇ、今回のことで懲りたので次から気をつけます。えっと、それでいくつかお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「ん?良いぜ。俺に答えられる範囲内で良ければな。」


ふむ、どうやら話は信じて貰えた様子だ。 しかしこのミノタウルスさん人が良いな?魔族の人は皆こんな感じなのか?


「ありがとうございます。では3つ程、先ずここはどこでしょうか?」

「あぁー、そうだよな。いきなり転移しちまったんだもんな。ここはヴァルクにある魔王城の食堂だ。」

「ま、魔王城ですか!?」

「お、おう。そんなに驚くってことは魔王城にくるのも始めてなのか? 見学にも来てないのか…」

「は、はい始めてです。あとヴァルクというのはここら辺の地域の名称ですか?」

「ん?それも知らないのか?相当な田舎から転移しちまったんだな… あぁ、この魔王城から大体周囲100kmの範囲は魔王様が直々に治めていて、その地域の名称がヴァルクだ。」


(なるほど、まさか魔王城に転移してしまうとは… しかし本当に魔王がいるとは…)


「えっと、では次にここから人里…人間がいる街へはどの位距離があるのでしょう?」

「人間?何故そんなことを聞くんだ?」


そこで僕は自分の質問の失態に気づいた。僕は今は機械族だから一応魔族だった。普通に考えれば人間と魔族は争っているのがテンプレだというのに…


「え、えっと。人間の街が僕の故郷の近くにあったので目印になるかと思って…」

「あぁなるほどな。んーと、ここから人間の街だとかなり遠いぜ?多分騎獣にもよるが休まず行っても一週間は掛かるぜ?」

「え?あ、なるほど。えっと自分で聞いといてあれですが、人間のことについて質問しても大丈夫でしたか?」

「ん?あぁ、俺は別に気にしないが、確かに人間のことを良く思わない奴もいるから軽率には聞かない方が良いかもな。」


(ふむ、これは少し以外だったな。てっきり魔族全員が仲が悪いものだとばかり思っていたが違うとは…

しかし騎獣が何か分からないが一週間は遠いなぁ。)


「では最後に。僕の事を嬢ちゃんって?」

「ん?何だ嬢ちゃん女じゃなかったのか?それは悪かったな。じゃあ坊主って呼ぶか?」

「えっと、僕は性別が無いので…

あ、申し遅れましたが僕は機械族のカナデと申します。」

「何だあんた機械族か! へぇー!始めて見たよ、とっくに滅びちまったもんだとばかり…あ、悪い気分悪くするつもりは無いんだ。俺はミノタウルスのバカルだ。」

「えっと、気分は悪くしていませんが、滅んだ?」

「ん?何だカナデは知らないのか?あんたと同じ機械族は文献によると随分と昔に種族毎滅んだことになってるんだよ。」

「え…?」


え、滅んでるの?







新キャラのミノタウルスさん登場。彼はかなりのお人好しです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ