説明回
説明回です。この手の小説を読み慣れてる方は読み飛ばしても問題はありません。
意識が覚醒し、目を開けるとそこは白い空間…とかでは無く、良く見慣れた場所…そう、僕の部屋だった。
確か僕は凛華と帰り道で傷心していた所を車か何かに轢かれたはず。
なのに僕の体に外傷は見当たらず、尚且つ病院とかでも無い。 ならば夢落ちか「…おーい」もしくは今が正に夢の中なのか…「ねぇねぇー…」だが、夢なのにこんなに自分の意識がはっきりとしているものか?「無視しないでよー。」さて、夢では無いとするならばあまり考えたくは無いが、ライトなノベルで良くあるあの展開…
「異世界召喚か…」
「正確には君は前の世界では死んでるから転生なんだけどね〜」
「……」
面倒なので無視を決めていたこの声の正体もきっと…
「神さまですかね?」
「せいかーい!もう〜折角神であるボクが直々に話しかけてたのに反応が無いからあれ?もしかして頭おかしくなってるかな?とか心配したんだよ〜」
さらっと失礼な事を言われたので少しムっとして声のする方に振り返ってみると、そこには誰もが目を奪われる様な美しい見た目の女神様が!…そう期待して僕の目の前にいたのは確かにとても美しい神だった。
そう、とてもしなやかで美しい筋肉を全身に敷き詰めた様な肉体の肌黒のおっさんということを除けば。
「…チッ」
「え、今舌打ちした?したよね?もしかして綺麗で美しい見た目の女神様が!とか考えてたの?も〜君も欲しがりだな〜」
「いえ、別に見た目に関してはどうでも良いです。なのでさっさとこの状況を説明して下さいマッスルよ。」
「ハッハー、やっぱり怒ってんじゃーん。しょうがないなぁ、君がそんなに見たかったんなら見た目を変えてあげるよ〜。」
そういうと目の前のマッスルが僕が想像していた様な美しい女神に姿を変えた。
「ひゃっほー美しい女神様だーありがたやー」
「うんうん!君がそんなに喜んでくれるならボクも見た目を変えた甲斐があったよ!」
「さて、それではこの状況の確認等をお願いします。」
「あ、あれ?切り替え早くない?
まぁいいか。さて、まずは君がさっき言っていた通り異世界召喚、もとい転生をするよ。 ここの空間はそれを行う前に転生者に異世界の基礎的な知識を教えたりする場所だよ。あ、ちなみに君の部屋をモチーフにしたのはボクの気遣いだよ〜。」
まぁ、大方の予想通りではあるが本当にそんな事が起こるとは。
「なぜ僕は転生するのでしょう?」
「ふむふむ。転生する理由はね〜ぶっちゃけると君じゃなくて君の幼馴染の凛華君だったんだよ。だけど彼女だけ転生させてすぐ側で死んでいた君を放っておくのもボクの良心が傷ついてね〜。
あ、因みに彼女は勇者とする為に転生させたんだよ。も〜。そんな怖い顔しないでよー、可愛い顔が台無しだよ?
彼女が死んだのはボクが意図的に殺したんじゃないからね? ちゃんと彼女が死ぬタイミングで転生させたんだよ。
だからこそボクも彼女こんなに早く死んじゃうのは予想外だったんだよ。だから君を巻き込んじゃったけど許してね?テヘペロ?」
まぁ、無理矢理召喚したとか、ワザと早死にさせたとかでは無いのは分かったが、目の前のマッスルもとい女神の態度がムカつくのも確かだ。
「彼女が勇者になる必要は?他にもいたのでは?」
「いやぁ〜。それが中々に上手くいかなくてねぇ。あ、この子良いじゃん!スカウトしよ!って思って何回か勇者として転生させようとしたけど面倒くさいだの、私には向いてないだので勇者やってくれないから泣く泣くある程度の要望を聞いて転生させるだけってのが多かったんだよ〜。その点彼女は張り切って、やります!って言ってくれたんだよね〜。勿論条件は付けられたけどね。」
あいつが勇者を?普段面倒な事は絶対にやらない、僕に押し付けるあいつが?
「因みにその条件というのを僕が聞いても?」
「別に構わない…というか君には言っておいて欲しいって言われてるからね。 その条件は…超イケメンな男に転生することだよ。」
「あぁ、納得した。」
言うほど説明して無いので次回でちゃんと説明は終わらせます!絶対…多分……