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姜伯約の北伐政策  作者: はくりなのい
序章 陰と陽 
43/141

幻影の焔~傀儡~

めっっっっっっちゃぐだぐだです!!!!!!!!!!

ぐだってるしだれてるけど勿体ないので投下


 ――曹魏、許昌。

 空を見上げれば曇天。今にも雨が降りそうな天気だ。備えをしっかりこなすようにと臣下には皇帝から伝えられているため、彼らが備えを怠る時はないだろう。もし怠れば処断対象である。それほどに曹魏の規則は甘くない。

「父よ、これを」

 玉座に座り、皇帝の冠を被っている男性――曹魏の二代目皇帝曹叡から青年は一枚の竹簡を受け取る。鋭い目つきの、未だ幼さ抜けない顔を持つ青年はそれを眺める。顔だけで食っていけそうな顔を持つ青年は、数秒眺めては顔からは想像出来ない言葉を吐き捨てた。

「ほう、孫呉からの平和記念祝宴か。……くだらん」

 青年は書簡を数歩後ろに控えていた茶髪の女性に手渡す。曹叡は「そう仰ると思っていました」と告げ苦笑する。

「叡、私に行けと言うわけではあるまいな?」

「さ……流石に孫呉へ父を行かせる訳には……」

 曹叡の目論見はわかっていた。青年――曹丕は先帝。本来なら蜀の劉備にように口出しする訳にはいかないのだが、数年前にとある一族のクーデターを止めて欲しいと頼まれ、曹操から「丕よ、お前がやれ」とまで言われてしまい、仕方なしにその一族を抑え、曹魏内部の基盤を盤石なものとするために奔走した。それ以来、他の臣下に問われ曹丕が魏を動かす事となった。皇帝でありながら傀儡でしかないなど、屈辱だろう。漢室のような、前例があるから尚更だ。

 だが、流石に曹丕とて息子を手にかける趣味はない。

 曹丕は一度目を伏せてから、再び開くと「叡」と曹叡の名を告げる。

「貴様は荷物を纏めて孫呉へ向かえ。三国鼎立を祝福する平和記念祝宴だ。参加しておかなければ、呉蜀と関係が潰れかねん」

 三国鼎立となったのは劉備や曹操の時代。戦ばかりが続き、曹操が曹丕に託して引退し、劉備が病で帝位を退いた。次代を担う曹丕、劉禅は争いを止め、三国で不可侵条約を結んだのだ。それは、一先ず天下を安定させるためでしかない。が、不可侵条約は何度も破られている。北伐を慣行する、蜀の将兵――姜維に。

 かつて曹丕が帝位であった頃、家臣――司馬懿は告げた。

 姜維を殺さない限り平和など無意味でしょう、と。

 だがこちらから手を出したら不可侵は意味のないものとなる。それ故、内心腸煮えくり返りながらも耐えているのである。

「ですが、司馬懿によると“十中八九、罠でしょうな”と。郭嘉や荀彧も同じ事言っていて」

「懿が言うならそうなのだろう。が、叡、貴様が行くから意味があるというもの。――大物が釣れるかもしれん」

「どういう事ですか、父よ」

 曹丕は黙っていたが、付き人である女性に「子桓殿」と字を呼ばれ仕方なく口を開いた。

「蜀の諸葛亮と劉備は水魚の交わりだと言う。その水から魚を釣り上げようというだけの話だ。――まあ、魚というよりは……火種というところか」

 女生と曹叡は曹丕の意図がわからず首を傾げる。曹丕は教えるつもりもないため、踵を返し曹叡に背を向けて歩き出す。

「何、貴様は知らずとも良い。ただ、私のために餌となればいいのだからな」

 そう告げて曹丕はその場を後にする。後ろから恨めしく己を睨む瞳を感じたが気にはしなかった。何、逆らうなら死罪。曹叡など、いつでも殺せるのだから。

 そんな曹丕を数歩後ろから付き人の女性が呆れた顔で見つめていた。


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