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姜伯約の北伐政策  作者: はくりなのい
第三章 王元姫の奪還戦線
24/141

結晶の囚人~奇妙な関係~

■□■□


――何故戦うの?

 出会ったばかりの王元姫はそう告げた。姜維はその時、戦陣で一万の軍を率いており、行軍の途中彼女は馬に揺られながら何てことない言葉を告げたのだ。まだ元姫と信頼も信用も築いてなかったため戸惑った事を覚えている。

 ――何故? それは私が蜀の将兵だからだ。

 ――それだけ?

 ――先帝の夢を、諸葛丞相やかつての人々が願った漢室復興を実現するためだ。逆賊である魏を討ち果たすのだ。

 蜀に来て、先帝の思いを、劉禅の覚悟を聞かされた。そして理解した。ああ、蜀は呉や魏とは違う。漢室の復興を掲げている。この国には義がある。大義がある。だからこそ姜維は蜀を信じ、蜀のために漢室を復興したいと思ったのだ。国力差は歴然。これを埋める術を考えなくては。その時に飛び込んで来たのは王元姫という新たな力を持った存在。

 使える。そう思った。

 利用するしかない。だが、気付いたらいつの間にかこっちが利用されていた。――いや、違う。利用ではない、気付いたら彼女を仲間と認識してしまっていたのだ。それからだろう、元姫との間に絆が生まれたのは。

 お互い名目上は利害の一致。だが、最早そんな関係ではない。この関係に名前をつけられずにいるが、愛や恋といった男女の関係ではない事は確かだ。

 奇妙な関係――今はそれでいい。彼女が居て、自分が居る。今はそれだけでいいと姜維は思った。それが続くなら、こんな日常も悪くはないと思った。

 

 だからこそ、元姫を守ろうと思ったのだ。




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