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呼勇至魔記  作者: SaicA
13/18

15~29日目

15日目、雨。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………皆無。



 魔法、というのは場所を選ばない。あらゆるモノに存在するマナを使う、といった話は以前しただろう。

 大気は基本的に人が生きれる環境なら何処にでもある。ならばマナも同様である。といった具合だ。

 


16日目、晴れ。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………皆無。



 まあ、大気に限った話ではないが、基本的に人が生きてる場所はマナが存在する。と考えていい。

 しかし、人為的に魔法を発動させなくする方法はある。それは大きく分けて二つ。



17日目、晴れ。

魔法技術の進捗……………有り。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………皆無。

 


 マナの存在を許さぬ、隔離された空間を造る。

 又は、発動体のMP──正式名称は「魔法発動可能領域」──を全て削り取る。

 


18日目、曇り。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………皆無。



 尚、どちらの方法も現実的ではない。

 何故か?それは酷く簡単な話だ。

 


19日目、雨。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………皆無。



 例えば、部屋一つを人一人の力で真空で満たせるか?

 例えば、他人の力という力を全て奪えるか?

 


20日目、晴れ。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………有り。



 答えは「NO」だ。

 それは、魔法があったとて同じ。むしろ、逆だ。

 


21日目、晴れ。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………皆無。



 正確には、真空の環境は生み出せる。

 問題は、魔法を介する時点で「マナの存在しない環境」を造る事自体が不可能なのだ。

 


22日目、晴れ。

魔法技術の進捗……………有り。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………皆無。



 魔法は魔力を強制的に変質させたモノである。故に魔力は魔法とニアリーイコールの関係にある。

 そして、発現した魔法は強制力から解き放たれた、とも言える。

 


23日目、曇り。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………皆無。



 とどのつまり、魔法は魔力と戻るのだ。そして魔力も同じく、やがてマナへと戻り霧散する。

 よって、「マナの存在しない環境」は事実上不可能なのだ。Q.E.D.

 


24日目、雨。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………有り。



 ああ、ちなみに他人のMPを削りきっても無駄だ。詳細は省くが、MPは即時回復が可能だからだ。

 さあ本題だ。何故俺はこんな話をした?

 


25日目、雨。

魔法技術の進捗……………無し。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………有り。



 何故俺は魔法についてこんなにも調べる必要があった?

 何故俺は魔法の有用性を遠回しにも述べた?

 


26日目、雨。

魔法技術の進捗……………有り。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………有り。



 それはやはり、酷く単純明快で、とても簡単な話だった。

 


27日目、雨。

魔法技術の進捗……………有り。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………有り。



 何故なら俺は、この世界に於て「魔法」を警戒してるから。

 


28日目、雨。

魔法技術の進捗……………有り。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………有り。

 


 何故なら俺は、この世界の人間を誰も信用してないから。



29日目、雨。

魔法技術の進捗……………有り。

今日の模擬戦………………全敗。

有益な情報…………………有り。



 何故なら俺は、この世界がとても嫌いだから。




 何故なら俺は、この世界を────




 ……おっと、時間だ。そろそろ行かないと。


 何をしに、だって?


 そんなの決まってる。


 そもそも最初から分かり切っていた事じゃないか。




 ────人を呼び付けておいて、勝手に使命を擦り付けた(勇者に祭り上げられた)この王に────



 ────挙句の果てに強制労働(剣と魔法の修行)、事実上の拉致監禁をしたこの国に────



 ────生きる事すら苦痛な、この地獄へと俺を呼び出した(召喚した)人間に────





 

 後悔を()、与えて()やるのだ()────






30日目。

それは、この世界に来て初めての。

昨日までの雨が嘘のような。

雲一つない、晴れやかな晴天だった。

それはまるで、勇者たる俺の新たな門出を祝っているかの様だった。

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