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呼勇至魔記  作者: SaicA
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某月某日、晴れ

 本日はお日柄も良く、天気や気温、果ては湿度までも良好。何をするにも最高の天気だ──

 ──とは自身の発言だが、俗に言う、異世界転生…いや、「異世界転移」をするのは如何なものか。


 さて、物語の主人公よろしく、自分自身の人生の主人公である自分の現状を整理しよう。まずは、「こっち」に来る前──



 ──何でもない最高の一日、学校からの帰り道に「()()」は起こった。


 音も無く、地面に展開された謎の光る幾何学模様。所謂、魔法陣。

 同心円の円と円の間に刻まれた、凡そ自分らの世界に存在しないと思われる言語とも数字とも判明しない図形。零%から百%へ、まるで出来上がった図形を拡大するが如く自分を中心に広がって行く。その青白くも妖しい光は、まるで冥界への誘いが如く──

 そこまで呆然と思考した後、自分の遍く全てが警鐘をけたたましく鳴らす。それに気付いた後、駆ける。パニックになりかけた頭は、無理矢理にでも思考放棄で黙らせた。

 勿論、人並みにこういった現象には憧れや、浪漫を感じた事はあった。だが、実際にそれが自分に起こるとどうだ?人は、未知のモノには「恐怖」を抱くのだ。それが、日常を平穏な日々だけで過ごしていた人間なら、猶更。

 だが、現実とも思えない事象を起こす現実は、非情だ。謎の魔法陣は、矢張り中心が自身という対象に設定されているらしく、幾ら移動しても抜け出す事は叶わなかった。心の何処かで、案の定か。とも思った。

 諦念と、喪失が襲った。だが、駆ける脚は止まらなかった。いや、駆けずにはいられなかった。そうでもしないと、心が、狂ってしまいそうだから。

 抵抗とも言えぬような抵抗を続ける間も妖光は段階を上げて光量を上げていった。それは時限爆弾の様で、視界を青白く染めていく。もう、残された時間は少ない。

 心より先に、身体が折れた。だが今の自分には叱咤してくれる者も、人質になっている親友もいない。地に四肢は投げ出される。さっきまで懸命に動いていた足は言う事を聞かない。否、もう何をしても無駄、と頭で理解しているのだ。故に、腕も、身体も、動こうとしない。その状態で、やがて来る「時」を待つ。

 同時に、思う。

 もし俺を呼び出した奴がいるのならば。この想いを、必ず────


 ──そこで意識は途絶えた。

 これが、俺が元いた世界で過ごした、最後の記憶。

 運命が、人生が、「俺」が、大きく、とても大きく変わるきっかけとなった、最高で最低な一日だった──

小説家になろうに登録したので初投稿です。マジの初投稿なのでなんかミスってたら許して。

一応オチまでの流れはある程度考えて書いてるので多分そこそこ短い感じで終わればいいんじゃないかな~~~~~~って思います。モチベが続けばな!

ちなみにタイトルは、「こゆうとうまき」と読みます

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