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プロローグ②

 その後も危なげなく迷宮ダンジョン探索は進んだ。


 レイとウォレスの二人が殆ど仕留め、討ち漏らした敵をサラが狩っていく。


 偶に手傷を負った二人をナーシャが回復、後衛と俺のお守りがローザの役割分担だ。


 罠の解除や不意打ちを防ぐ危機管理が俺の仕事。


 役立たずではない、と思いたい。


 迷宮ダンジョンのかなり深いところまで潜ってきた。


 そろそろだ。


「この先かい?」


 団長リーダーである勇者ブレイバーレイが俺に尋ねる。


「ああ。ヤバそうな気配がプンプンする」


 扉を開ければ首魁ボスキャラとの戦いが待ち受けているであろうことは疑いようもない。


「いつも思うけどよ」


 戦士ウォリアーウォレスが口を開く。


「すげぇよな、お前のカン。外れたことねぇもんよ」


「戦闘じゃ役に立てないからな。そのくらいの技能スキルがないと申し訳が立たないだろ?」


「お前はオレにゃ逆立ちしたってできねぇことをやってる。胸ぇ張れや!」


 バン、と背中を叩かれる。


「ゴホッゴホッ……!」


 たまらず咳き込む。


「大丈夫ですか!?」


 ナーシャが駆け寄ってきて即座に背中を擦ってくれる。


 クールな魔法使いであるところのサラはその光景を冷めた目で見ていた。


 彼女が会話に加わってくることは殆どと言っていいほどない。


「もうっ、手加減してあげなきゃダメですよ?」


 その動作を繰り返しながら、ナーシャはウォレスをたしなめた。


「すっ、すまん……!」


 彼女よりも頭一つ半は図体がでかい大男がその身を縮こまらせてペコペコと頭を下げている。


 その光景はどこか滑稽コミカルだった。


「もうっ、謝るなら私じゃなくて……」


 スッ、と手を上げる。


 彼に悪気がないのは分かってるので、俺はそれを制した。


「ありがとう。もう大丈夫だ。ただ、次からはもっと手加減してくれると嬉しい」


「おっ、おうっ。悪かった……!」


 俺のあまりのクソ雑魚ナメクジ振りに驚いたウォレスが言う。


「貴公の貧弱振りも良くはないぞ。もっと身体を鍛えられてはどうだ?」


 ローザが俺にそんなことを言ってくる。


「まあまあ」


 それをレイが制する。


「あんまりシドが強くなっちゃうと、彼の天賦才ギフトが上手く使えなくなっちゃうから。その辺は、ね?」


「レイ殿がそう仰るのなら……」


 あっさりと引き下がる女騎士。


 物腰が柔らかいレイに対して食ってかかる団員メンバーは存在しない。


 彼がこの一団パーティーの潤滑油たる証だ。


 休憩を挟み、軽く食事を摂ってアイテム等で体力、魔力を回復させる。


 俺の天賦才ギフトという切札ジョーカーはあるものの、一団パーティー団員メンバーに一切の油断はない。


 こうして俺達は小一時間程度の束の間の休息を終えた。


「準備はいいかい?」


 団長リーダーであるレイが問うた。


 コクリ、と神妙な顔をして皆が頷く。


 そして。


 一呼吸挟んで扉を開いた。

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