不安と緊張
目が覚めた。なんだか頭が重くて痛い。
あれは夢だったのか、現実なのか。
夢だったら良かったが、これは現実だ。
"いじめ"
なんとも言えない不安を抱えながら学校へ向かう。
「おはようございます!」
一際大きな声で私に挨拶をしてくる子がいた。誰だろう?どこかで見たことがあるような... 。
あ!
私のクラスの子だ!
昨日の出来事が嘘だったかのような清々しい笑顔。名前は、まや。
「まやさん、おはよう!」
なんだか嬉しくなって私も笑顔で返す。
(昨日はたまたま喧嘩が起きただけだったのかもしれない。それに、まだクラスも発表されてすぐだから、きっと慣れていなかったんだろう。そのうちクラスにも馴染んでいくだろう。)
そう考えると、少しは楽になった。
だが、教室に着くと自分の考えの甘さを痛感する。教室の前に着いた途端、なんだかどんよりとしたいやな空気を感じた。
(何だろう・・・?)
胸に不安がよぎる。
ドアノブに手をかけると同時に昨日の光景がフラッシュバックする。
こわい。
何がこわいのかはっきりとは分からないが、漠然とそんな感情が私の胸に大きな波となって押し寄せた。
ドク、ドク、ドク。
自分の心臓の音が聞こえてきそうなほど、私は緊張していた。