女教師の戦いが始まった
「先生、このクラスは異常です。」
昔、誰かがそう言った。
私の名前は、あずさ。
教師歴5年目。元々は幼稚園の先生になりたいと思っていたのだが、気づけば小学校で5年間も働いている。
私が初めて受け持った学年は4年生。
子どもたちに出会うまでの数日間は、どんな子がいるのだろう?これからどんなクラスにしていこう?と、私は期待と不安で胸がいっぱいだった。
しかし、実際に会ってみると期待は消え失せ、不安と恐怖で胸が押し潰されそうになっていった。
教室に入った瞬間、私は目を見開いた。
目の前に現れたのは、ギロッと睨むような厳しい目線の男の子。名前は、かずや。髪は水が滴り落ちるほど濡れており、服やズボンは色が変わっていた。一瞬フリーズした後、一体何があったのかと慌てて周囲を見回す。周りからはどこからともなく聞こえてくる大きな笑い声と拍手。
そう、今私の目の前で行われているのは"いじめ"。
「何してるの?!」
私は思わず叫んだ。
「え?汗かいてたみたいだからバケツシャワーを浴びせただけだよ。」「ただでさえ暗くてモテないのに、汗臭いなんて可哀想だからね。」
詫びれもなくそう口にしたのは、いかにもやんちゃそうな男の子たちだった。
「・・・。」
かずやは終始無言だった。
すぐにかずやを連れて職員室に駆け込む。他の先生たちに助けを求めるが、誰も相手をしてくれない。何が何だか分からないが、とにかく今はかずやを何とかしないと。タオルで髪を拭き、落ち着いてから事情を聞くことにした。
何だかひどい頭痛と目眩がしてきた。これからこのクラスは一体どうなるのだろうか。
この日を境に、私の戦いは始まった。