その日、僕の正座が占い1位でラッキーアイテムは綿棒で、僕は、救急箱から綿棒を一本、取り出してポケットに突っ込み、とりあえず出社した
出社して、自分のデスクに座り、午後からのプレゼンの資料を作成した。
お昼休みになり、食堂でカレーライスを食べてコーヒーを飲んでいると、新人の女性社員が
「ちょっと、いいですか?」と僕の隣りに座った。そして、言う。
「…実は、私…
社内でイジメにあってるんです……」
彼女の目が潤んでいる。
僕は、そんな彼女を、じっと見つめて彼女の言葉を待った。
「わたし、わたし……あなたに……
私の代わりに、ミニ四駆、作って欲しいんです。
オツボネ、私がホライゾンが一番好きなの知ってて、サンダードラゴン、アバンテJr.しか作らせてくれないんです!!」
そう泣きじゃくる彼女を見て、
…ニッパーはなくても、僕、ハサミは持っているよな
でも、ギアにグリスを塗るとき、手が汚れる……
午後からは大事なプレゼン…!
僕は、ポケットに手を突っ込んだ。
!!!
持っている、僕、今日、良いもの持ってるよ……。
(おわり)