はじめまして天国 - Ⅱ
ーーー「天…使…? 」
容姿は美しいと言うより、可愛いが正しい。
そこに立っていた天使は、透き通った薄い桃色の髪を長く下ろし、頭の両端には上下逆さまの白い羽の装飾(?)をつけていた。
くりりとした大きな黄色い瞳にさす光だけで彼女の純粋さが判断できる。
さらに、あからさまなピンクのほっぺと130cm程の小さな背丈、全くと言っていいほど成長の無い胸から、この天使はただの天使ではなくロリ天使であることがわかる。
ーーー俺の感性で言わせてもらおう…
「120点!!!」
指を指してこう叫んだこの男の瞳に数年ぶりの輝きがと灯った瞬間であった。
「ほげ?」
と天使。
何についての点数かなんてわかるはずもない。
「まぁいいや!はじめまして!あたしは天使なのです!!」
ーーー見りゃわかる。
「おめでとうございます!なんとこの度あなたは転生しました!!
なので今日はハッピーハッピーリバースデーなのです!!」
ーーーリバースデー??何だそれは…ポイント2倍か?
「まずこれからあなたはあたしと一緒に天王様のところへ向かうのです!詳しい話はまたそこでさせていただきますよ!!」
そう言ったかと思うとその天使は瞬く間にカルタの手を取り、パステルな部屋の外へ連れ出した。
木の作りのドアが開いた外は、コンクリートのようなクリーム色の壁と、床に赤い絨毯が敷かれた長い廊下だった、壁に掛けられた松明の明かりが奥まで続いている
天使に引っぱられながらカルタは
「ちょ、ちょっと待ってくれよ天使さん!」
「天使じゃないのです!あたしの名前はチルリアなのです!!」
ーーー天使じゃないんかい。
「ち…チルリアさん!」
「チルでいいのです!」
ーーーめんどくせぇな!!
「チル!リバースってどういうことだ!?俺は死んだんじゃ無いのか!?」
「いいえ!あなたは生まれたのです!」
「…は!?」
「あなたはこの天の世界で二つ目の人生を始めるのですよ!!」
ーーーつまり人間にとって現世での死は、天国で送る二つ目の人生の切符を切ったということなのか…??
「あなたは幸運ですよ!!転生先が天国だなんてなかなかありませんから!!」
「幸運…?どういうことだ??」
「さあ着きました!!天王様は扉の向こうです!!」
ーーーたしかにこれは…天王様とやらに詳しく聞いた方が早そうだな…