マリナと光り輝く綺麗な髪
ある森の小さな小屋に、不老不死の小さな女の子が住んでいました。
暗い夜にほんのり光り輝く綺麗な金色の長い髪に犬の耳、楓のように赤くてつぶらな瞳、ピンク色のワンピースに純白のエプロン、人形のように可愛らしい女の子でした。
「マリナ、ご飯だから降りてらっしゃい!」
そう、彼女はマリナという名前です。
マリナは読んでいた本に栞を挟んで階段を駆け下りました。
「わあ、オムライスだ!!」
「今日はお母さん特製のオムライスよ」
好きな食べ物はオムライスです。
「いただきます!」
おかわりをたくさんして、マリナはもうおなかいっぱいです。
「お母さん、お外に出てくるね!」
「はいはい、あまり遠くに行かないのよ」
「はーい!」
マリナはお花畑でお花を摘んでいました。
すると茶色いコートを着たお兄さんがやってきました。
「ねえ君、暗い夜にほんのり光り輝く綺麗な金色の髪を持っているかい?」
「うーん・・・私、そういうのは信じないかなぁ」
暗い夜には良い子は眠っているのですから、自分じゃ気づきません。
「嘘吐くな、その犬の耳は間違いない、お前の髪が絶対そうだ」
「お、お兄さん、私暗い夜には眠っているから、光るかわかんないよ・・・?欲しいの?」
「そうだ、すごく欲しいんだ」
「どうして?」
「金になるからだ」
「髪切っちゃったら光らなくなっちゃうよ?」
マリナは本を読むのが大好きなので、そこらの知識は完璧なのです。
「ええい、やかましい!!こうなりゃ無理やり毟り取ってやる!!」
「やだぁ、お母さん!!」
「喚くな!億万長者になって毎日遊んで暮らすんだよ!!」
そういってお兄さんはマリナの髪を引っ張ります。
すると、お母さんがマリナを助けに走ってきました。
「お母さん!!」
「マリナを泣かせないでください!!」
そういってマリナを抱きしめます。
お母さんの温もりにマリナは安心しました。
「煩い煩い!金が欲しいんだよ!!」
お母さんは絵本のようなノートを取り出して、絵を描きました。
「逃げましょう」
そういってマリナの手を引いて走りだしました。