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BRAINコネクト 改正版  作者: 滝口 峻
第一章 「レベル1掃討作戦」
4/15

3話


 ――でも、今思うと、この時には既に始まっていたのだ。

 狂ってしまったこの世界で、生き残りを掛けた、デスゲームが……。


「おい、おいって。聞いてるかぁ~尚也?」


 視界に祥平の顔が入り込み、俺はふっと我に返る。


「どうしたんだよ、尚也。ボーとしてるなんて珍しい。何かあったのか?」


 正也は目の前のARウィンドウを弄りながら、相変わらずの揺らぎのない無表情でそう言った。


「なんでも、ないよ……」

「ふーん」


 正也はそれだけ言って、深く追求してはこなかった。でも、正也も薄々は気付いていたのであろう。寧ろ突っ込んだ質問をしてこないのは、こいつなりの配慮なのかもしれない。正也は昔から、そういう面では少し大人で、空気が読める奴だった。今はそれに凄く救われる。俺も正平くらい気楽になれたら……。


「ふ~んふ~んふ~~ん♪」


 鼻歌交じりに隣を歩くもう一人の親友を見て、一度ため息。

 大通りに出て、信号を待つ。目の前を巨大な緑色が通過する。


「うっへ~。戦車だ、戦車。戦争でも始めるつもりかよ」


 走り去っていく重量級の車体を指さしながら、祥平は子供の様に燥ぐ。

でも確かに、どうしてこんな所を戦車が……それによく見ると、街の至る所に自衛官が立っている。そしてその手には、物騒な小銃が握られていた。

……胸騒ぎがする。


 しかしそんな俺の心情とは裏腹に、次々と目の前を通過する戦車に目を輝かせる祥平を見て、ほっと胸を撫で下ろした。


 ……気のせい、だよな。

 今日はやけに、街を清掃するロボットの数が多かった――。


 ――キーンコーンカーンコーン

 聞き慣れた鐘の音が鳴り響く。


 優秀な留学生も多く通うここ、『BRAIN・SPEC・ACADEMY』。通称、「BSA」。小学校~大学まで、エスカレーター式の特殊なカリキュラムを敷いたマンモス校。そして、俺達の通う学校でもある。


 三人は、他愛もない話をしながら校門を抜け、昇降口に入る。特進クラスの正也と別れ、同じクラスの尚也と祥平は、自分達の教室《2‐F》へと向かった。


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