最五話 謎の本屋
あ、どーも!
人間のクズ、神田龍二です。
前回は酷かったですな、俺。
見てられないよね、全く。
今日は日曜日。
学校は無いし、部活も入ってないから、家でゴロゴロ。
今週のジャンプを読み返してるところ。
「暇だぁ…」
そう思った俺は出かけることを決意。
どこに行くか…本でも買うかな?
――ブックセンター嵐
こんな本屋あったんだ。
入ってみるか。
「いらっしゃいませー」
女性店員が一人迎えてくれた。
「こちらへどうぞ」
「えっ?」
「どうぞ」
何コレ
本屋って普通はさ、個々で探して買うような店だよね。
なんで店員に誘導されなきゃいけないんだ。
もしかして、この店、物凄く怪しくね?
「あの、俺帰ります…」
「駄目です。どうぞこちらへ」
「駄目って、あなたが決める事じゃないでしょーが!?お客の自由だってーの!」
そういって店から出ようとすると、
扉が開かない…。
「申し訳ございません、お客様。当店は入り口と出口がございまして…」
「ええっ!?入ってきた入り口からは出れないの!?」
「さようで」
「くっ…」
仕方なくその店員へ付いて行く俺。
「お待たせしました。こちらに座ってください。」
「は…はぁ…」
一応その趣味の悪い椅子に座る。
「では、始めますね。ルールは分かりますか?」
「始めるって何をですか!?ルールって…!?」
「ブックバトルですよ、お客様。では始めましょう。」
回答になってねーっつーの!!
“ピッ”
ドガーーーーーーーン!!!!
上から目の前にモニターが現れる。
「バトルスタート♪」
そう店員が言うと、そのモニターに自分を元にしたキャラクターが現れる。
「んん!?」
「それはあなたの分身です。彼はあなたが生まれてから、
読んだ本の分だけのパワーを持ちます。あなたの読んだ本の数は1923冊…。」
店員がアドバイス。
俺ってそんなに本読んでたんだ。
漫画ばっかだろうがな…。
「あなたのパワーは1923です。」
「で、どうやって操作するのさ?」
「そのボタンを…って、あ!!!」
店員が叫ぶ。
椅子に電流が数秒走る!
うおおおおおッ!!!
「負けちゃいましたね、神田さん。」
店員が言う。個人情報が抜き取られたみたいだった。
「代金は初回なんで500円、で、カードを作っておきますね。」
俺は金を払う。店員はカードを作って渡してきた。
「では、またのご来店を〜」
なんだこの店は…!?