表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/17

2人目の美少女

花咲凛視点。

 私は今テストを行なっている。多少心が痛むがこれはテストだから仕方がない。部長の中から生徒会に入れる人材を探せと先生から言われた。だから、私は今テストを行いながら探している。


「では、廃部にするべきと思う部活はありますか?」


 私は部長たちの顔をみながら言う。

 今回のテストの点数の付け方は簡単だ。勇気、根性、人柄、愛想、これらがテストの項目である。


 今のところ誰も合格する見込みはないがな……にしても誰もテストの存在に気付いていないのか? そもそも、部活を減らすという話しの時点で怪しと思うはずだかな。


 さて、今回も合格者はいな――


「凛さん、俺は譲る気はありません」


 私は声のする方に視線を向ける。

 そこには、相談部部長、拓哉が居た。

 もしかして、彼は気づいたのか?


 拓哉の一言に部長たちは戸惑い困惑する。彼は何を言っているんだ? と言わんばかりな顔をする。


「拓哉君。合格だ」




 拓哉視点。


「拓哉君。合格だ」


 凛の声が響く。

 合格という言葉に部長たちは固まる。今、この現状を理解できているのは俺と凛先輩だけだ。


「廃部の話は無かったことにする。では、解散だ」


 凛は部長たちに笑みを浮かべながら言う。その言葉を聞き、部長たちは部屋を出て行く。


 そして、俺は座ったまま待つ。

 部長たちが居なくなり、凛は気難しいそうな顔をし俺の横に座る。


「何故、分かったんだ!?」


「なんとなくですかね……ていうか、本当にテストだったんですか?」


「ああ。生徒会に入れるかのテストだ」


 つまり、俺は生徒会に入るということなのだろうか。


「つまり俺は……生徒会の一員ってことですか?」


「そういうことだ。おめでとう」


 なんとも言えない気持ちになる。

 由比ヶ浜高校は、生徒会は特殊だ。いつ行われるか分からないテストがあり、それに合格しないといけない。


 生徒会の一員になりたいとしても、なれない。テストに合格しない限り。


 だか、俺は合格してしまった。誰もが羨む生徒会の一員になってしまったのだ。


「明日の朝、生徒会室に来てくれ!」


 凛は指で軽く机をトントンと叩く。小刻みな音に安らぎを感じつつも、話はどんどん進んで行く。


「その、本当に俺でいいんですか?」


「ああ。だってあの状況で「俺は譲る気はありません」って普通は言えない。まさに生徒会に必要な人材だ」


「なるほど」


「頼むよ! 私は期待している。拓哉君の行動に」


 そう言い凛は立ち上がる。

 凛は椅子を中に入れ、部屋を出ようとする。


「ああ。そうだ!」


 凛はドアの前に止まり俺を見つめる。


「今週の土曜日空いてるか?」


「空いてますけど……」


「よかった。では、土曜日は私とデートするぞ」


「へ?」


「気にするな合格祝いだ!」


 そう言い凛は部屋を出た。

 どういうことだ……

 今週の土曜日にデート!? え!? 俺が?


 いやいや、何かの間違いだよ……な。

 あんな、綺麗な人とデート……

 てか、合格祝ってなんだよ……


 これが、容姿端麗で凛とした性格の花咲凛との出会いだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ