第一王子の反省文
お目にとまって幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
【御礼】誤字報告、ありがとうございます。皆様には、足を向けて寝られませんッ!修正しておりますm(__)m
反 省 文
公爵令嬢 フェアリーテイル 殿
私、第一王子アラビアンは、婚約者のフェアリーテイル嬢に対し、繰り返し心ない暴言を吐きかけ貶める行動をとりました。その期間は、学園入学時より現在までの二年三ヶ月に渡りました。
具体例を挙げますと、令嬢が私よりもよい成績を上げているのは教師陣に贈り物をして試験問題を手に入れているからと疑い、自分にも渡すように命令しました。それを否定し譲渡を拒否する令嬢に腹を立て、彼女が首席として名前が張り出された廊下で、集まる学生らに事実無根の発言をして令嬢を貶めようとしましたが周囲の失笑を買いました。具体的な発言は「この女はカンニングで首席になったんだぞ!」です。
さらに、夏季休暇中における学園で飼育する魔法生物観察につきましても、令嬢のレポートを奪い自分のものとしてそのまま提出したところ、担当教師から叱責と再提出を受けたのは、フェアリーテイル嬢が告げ口したからだと罵倒しました。その際の発言は「センコーにチクるなんてこの(ピー)が!お前がやり直せ!」です。
後に、私の行為が発覚したのは、陛下をはじめとする王家ナイトの一族は私を含め全員、南部の御用邸で休暇を過ごしていたのですが、そのことを報道で知った担当教師が、その期間の観察レポートも提出されていることに疑問を持ち調査したからだと判明いたしました。
はたまた、私は、とある男爵令嬢と懇意になりましたが、私の腕に押し付けてくる男爵令嬢の胸部の脂肪量に対し、公爵令嬢の胸部が下回っていることを嘲笑し愚弄しました。具体的な発言は「お前の貧相な(検閲による削除)、刺激が足りないようだから手伝って(同上)」です。
その上さらに、ある時、学園でできた悪友らと町へくり出し、飲酒年齢に達していないにも関わらず酒場に入って適量以上を摂取し、酔ってその場の全員の飲食代を負担すると宣言しました。その際の具体的な発言は、「全員、好きなだけ飲んで食って騒げ、金は公爵家が出す、アイツは財布役くらいしか役に立たんのだから、気にせず店の酒を全部持ってこい!」でした。またその場で泥酔し、客と乱闘騒ぎを起こし、店中を壊滅状態にし、店から請求された損害賠償を公爵家に負担させました。乱闘の際に顔面を強打し右上眼瞼が腫れ上がり一週間に渡り眼帯を着用しましたが、密かに楽しんでおりました。
この件で陛下に叱責され十日間にわたって謹慎、反省文を提出するよう言いわたされました。その際、私を懲らしめるために報道陣に反省文の内容を公表すると言われたことに腹を立て、わざと新聞紙面に掲載できないような卑猥な言葉を書き連ねました。具体的には「(該当部分は全て削除済み)」。報道担当官により知らされ反省文を目にした母上が卒倒したことは大変申し訳なく思っています。謹慎期間が一ヶ月に延長の上、反省文を書き改め、直筆にて関係者全員へ送付するよう命令を受け、このように作成している次第です。
これらは全て私の自己管理能力が欠如しているところに起因しており、王族として人として恥ずべき行為と深く反省しております。フェアリーテイル嬢をはじめ関係各所に多大なる迷惑、金銭的負担、心理的苦痛をおかけいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。
フェアリーテイル嬢が被った金銭的負担につきましては、私、第一王子アラビアンの私財より、三カ年に分割して返済することを誓います。王家の品位と信用を失墜させたことにつきましては、これより毎日、社会奉仕活動に従事し、回復につとめたいと存じます。
自分の行動を真摯に反省し、自己管理及びフェアリーテイル嬢との関係改善につとめ、二度とこのようなことの無いよう、再発防止に取り組んでいく所存です。反省の証として本書を提出いたします。
第一王子 アラビアン・ナイト
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フェアリーテイル嬢「足りん。書き直し」
ありがとうございました!
反省文再提出後:
二回目令嬢「フザけんなマジで」
三回目令嬢「やる気あんのかゴルァ」
四回目令嬢「コレ石碑に彫って後世に残す」
五回目令嬢「婚約解消」
第一王子「ホントにマジですんませんしたーーッ!愛してるんだ捨てないで!」
という展開があったという噂です?
それでは、またいつかの週末で!